中国・珠江デルタの製造業/17%が域外移転検討

2017年07月14日(金曜日) 午前11時26分

 英系金融大手スタンダード・チャータード銀行がこのほど発表したリポートで、中国・広東省の珠江デルタで事業を展開する中華圏の製造業者の17%が東南アジアなど域外への移転を検討していることが明らかになった。中国本土のその他都市への移転を検討している企業は10%にとどまり、2010年の調査開始以降、数値が初めて逆転した。本土の人件費高騰で、国内移転のメリットが薄れつつあることが背景にあるとみられる。7日付「香港経済日報」などが伝えた。

 今年2~3月にかけて、本土、香港、台湾の製造業200社超に調査を行った。

 スタンチャート香港の劉健恒(ケルビン・ラウ)アジア太平洋地区シニアエコノミストによると、域外への工場移転を検討しているのは主に繊維やプラスチック材料などの軽工業。移転先の候補として人気が高い東南アジアでは特にカンボジアへの関心が高かった。人件費をさらに抑えるために、ミャンマーやバングラデシュへの移転を視野に入れている企業もあるという。

 劉氏は域外への移転を検討する企業の急増について、「中国内陸部の賃上げ幅が沿岸部を上回るケースが出てきたことで、企業の内陸部への進出意欲が減退している」と分析した。

 企業が予測する今年の珠江デルタでの賃上げ幅は平均7・2%で、去年の5・9%(実質ベース)を上回る。今後6カ月の受注量見通しは前年同期比1・6%増。今年の減益率予測は0・1%と昨年(6・1%)から改善するとみている。

〔NNA〕