メーカー別 繊維ニュース

全国テキスタイル産地特集Ⅰ(4)/生地商社編/「国産」が事業継続の生命線

2017年07月27日(Thu曜日) 午後4時9分

〈サンウェル/共に「消費者が求めるもの」を/社長 今泉 治朗 氏〉

 当社の生地は、染色加工の部分で見ると7割以上が国産です。クイック供給体制を強みとするため、今後も当社の事情でこの比率を落とすことはありえませんし、日本のモノ作りが残っていけるよう仕入れ先とは一層取り組みを深めていきたいと考えています。

 綿先染め織物が不調で、合繊織物が好調などトレンドの影響を受ける場合はありますが、シーズンや数年間のタームで見て当社と国内産地企業や染色加工場との取り組み数量が大きく変動することはありません。それだけ深く長く取り組めているということでありますし、当社の事業は仕入れ先各社の協力のもとに成り立っていると言えます。

 昨今のアパレル不況の影響は当社にも及んでいます。生地販売の売り上げもそうですが、特にデフレが再び顕著になっています。当社でも高価な生地より安価な生地の動きのほうがいい。消費者が「安くて良いもの」を求めている証しだと思います。ここへの対応が今後のポイントになりますし、仕入れ先と一緒になって対応力を引き上げたいと思います。

 産地や染色加工場のスペースは縮小しており、今後も増えることは考えにくい。その影響もあって最近は納期がかかりすぎることがあります。ただしこれは、日頃のお付き合いの深さが反映されるものですし、当社は、安定発注を意識して取り組みを強めることで納期対応をこれまで以上に整えたいと考えています。

〈澤村/産地と一緒に商品開発/社長 清水 民生 氏〉

 当社のモノ作りのベースは北陸産地や和歌山産地との取り組みです。2015年5月に北陸支店を開設しましたが、取り扱い数量は増えています。今期(17年9月期)、主力のトリコットは車両資材向けやアウター用途が不振で思ったようには伸ばせていませんが、丸編み地が好調です。今後は織物の拡大にもトライします。

 北陸産地の景況は全般的に良くありません。織物とトリコットが悪く、丸編み地は健闘しています。反転の鍵を握るのは商品開発でしょう。当社もそこに最大限の力を注いでいくつもりで、本社、北陸支店、東京支店のテキスタイル部門が連携して開発強化を推進します。その中で、高強力の「コーデュラ」ナイロンを使ったトリコットをスポーツ向けに販売する新規取引も決まっていますし、ランジェリー向けの開発も強化していきます。

 和歌山産地とはインナー地でニッターとの直接的な取り組みがあります。インナーアパレルからは東南アジア市場向けの話が増えていますので、産地と一緒に生地から組み立てて、販路開拓を狙っていきます。

 日本の産地の強みは小ロット・多品種体制が確立できていることだと思います。この追求が国内のモノ作りを残すために必要なことですし、当社も一緒に追求していきたい。また最近は自販や輸出拡大に舵を切る産地企業が増えてきていますので、当社もそのサポート役としてこの流れに乗りたいと考えています。

〈宇仁繊維/国産推奨機運高まるはず/社長 宇仁 龍一 氏〉

 産地景況は全般的に良くありません。店頭不振の影響が産地にも表れているということだと思いますが、元気なところがあることも事実ですし、何かのきっかけさえあれば浮上は可能ではないかと個人的には考えています。

 市場では今、ストライプ柄が目立っています。ただしそれも永遠に続くものではありません。ファッショントレンドには周期があり、ストライプの次には当社が強みとする水玉柄がトレンドの風に乗るのではないかと予想しています。今はそのための準備をしているところで、トレンドが吹けば一気に攻勢をかけるつもりです。こうした戦略を可能にするのが、産地企業や染色加工場との取り組みです。国産を軽視していては、こうした戦略は描けません。

 日本の生地は世界的に高い評価を得ていますし、海外のコスト高も相まって、国産推奨機運は今後も高まってくると見ています。産地企業や染色加工場には弱気にならず、意欲を持ってほしい。受託加工一辺倒からの脱却が進んでいることは素晴らしいことですし、当社も意欲のあるところとしっかり取り組んでいきます。

 最近力を入れているのは、デザイナーやMDの人たちを産地に連れて行くことです。モノ作りの現場を見てもらい、一緒にモノ作りをする。これは非常に重要なことで、こうした地道な取り組みが、新しい商品、新しい取引を生み出すと信じています。実際の成果も出つつあります。

〈双日ファッション/長く太くが基本スタンス/社長 由本 宏二 氏〉

 当社の仕入れの基本スタンスは、長く、太くというものです。新しいものを拒むというわけではありませんが、安定的に発注することが互いのメリットになることは明白です。仕入れ先を天秤にかけて瞬間的な安さを求めるようなことはしません。

 国内の産地企業や染色加工場は当社にとって大切なパートナーであり、発注責任を果たすことが当社の使命です。国内市況は少子高齢化や売り場の縮小など明るい材料に乏しいのですが、そこでシェアを維持拡大しながら、同時に外需を取り込んでいくことを目指します。それにより仕入れ先への発注も維持することができます。

 綿無地の生機は約7割が海外製ですが、その染色加工の99%は国内です。先染めと合繊は国内外がほぼ等分で、プリント、ジャージー、ウールは原料を除き国産100%です。このように、当社と国内のモノ作りは切っても切れない関係にあり、一心同体だと言えます。産地や染色加工場の多くが厳しい状況にあります。特に最近では先染め織物とウールが厳しかった。トレンドから外れ、販売数量が落ちた場合でも、極端に仕入れが減らないよう当社としてできうる最善の努力をしていますし、今後もしていきます。打ち出し方の工夫やトレンドに左右されにくいモノ作りなどで、トレンドの逆風を極力抑える。それが当社の業績の維持拡大につながりますし、産地や染色加工場への発注責任を果たすことになります。