衣料EC「グラナ」/トップに聞く(中)/ロジや人材に香港の優位性

2017年08月02日(Wed曜日) 午後4時24分

  ――香港に本部を置いた理由は。

 香港は世界でも有数の物流ハブであり、例えば豪州には1~2日で届けることが可能だ。香港から発送される「速達配送(エクスプレス・シッピング)」の小包量は多いため、発送の時間や配送料金のレートも、他都市に比べて最適なものが提示される。だから、グローバル・ディストリビューション・ハブを香港に設けた。これにより、企業の競争力をもっと高めることができるだろう。

 これまでのアパレル業界は、世界各地にオフィス、倉庫、店舗を設けてきた。在庫管理のスピードを上げればコストがかかりすぎるし、管理も大変だ。大量の在庫を抱えれば、売りさばくために各地の店舗へ商品を発送し、ディスカウントして売る結果になる。香港を倉庫の中心とすることで、うまく在庫管理ができている。

 グローバル・ディストリビューション・センターを立ち上げようとしたとき、英国や米国、シンガポールも候補地として検討した。その中で香港が最適だと判断した理由は三つあり、一つ目が自由貿易港(フリー・ポート)、二つ目がファッション業界の人材ハブ、三つ目が物流ハブだ。

 このうち、二つ目は、多くのアパレルメーカーが香港に拠点を設けているので、デザイナーやマーチャンタイザー、製造など業界人材が豊富で商品開発も容易だ。シドニーやニューヨークなどで、そういった人材を見つけようとするのは大変だろう。今はサプライヤーとの距離が近く、コミュニケーションを取るのも簡単。人脈の構築にも役立っている。

 このほか、重視しているアジア太平洋地域への市場参入をするにしても、香港の位置は良いと言える。同地域では、シンガポールのほか、インドネシア、ベトナム、フィリピンにも配送を始めた。

  ――ポテンシャルのある市場はどこか。

 豪州、シンガポール、米国、香港。この4カ国・地域がわれわれのコアマーケットになっている。豪州は物価が高いので、(低価格を売りにするグラナの)優位性があると考えている。米国はEC市場が発達していて、われわれの最大の市場だ。

 新たな市場も見ている。ただ、大型投資はまだ行わない。今月18日に「天猫(Tモール)」に店舗を立ち上げた中国本土市場は、潜在力が大きいとみるが、まずは試験的に始めて消費者の嗜好(しこう)を探りたい。EC市場の大きな日本にも注目している。品質を重視し、ベーシックなものを好む傾向がある。韓国も注目市場だ。

 新市場には動向を把握していくために、試験的に参入する形になるだろう。

〔NNA〕