今年の中国越境EC/55%増の1.8兆元規模へ/利用者5900万人に

2017年08月09日(水曜日) 午前10時1分

 電子商取引(EC)の市場調査やコンサルティングサービスを手掛ける中国電子商務研究センターによると、中国のクロスボーダー電子商取引(越境EC)は今年、前年比54・5%増の1兆8543億元規模に拡大する見通しだ。利用者数も40・5%増の5900万人となるとみられている。

 中国電子商務研究センターが今月初めに発表した「2016―2017年度中国越境EC発展報告」によると、中国の越境ECは2013年ごろからプラットフォームが増え始め、取引額は12年の2400億元から13年には4500億元、14年には6300億元、15年は9千億元へと急速に拡大している。16年には、個人輸入取引に対する規制強化を目的とした新税制の施行と直後の導入延期の発表があり、市場では混乱が見られたが、それでも取引規模は前年比33・3%増と成長を維持した。17年は50%を超える伸び幅になるとみられている。

 中国の越境ECは、以前はC2C(消費者間取引)がメーンだったが、最近はB2C(企業と消費者間の取引)が拡大している。13年の取引額のうちC2Cが占める比率は97・9%だったが、16年には41・4%にまで縮小。一方でB2Cは13年の2・1%から16年には58・6%と50%を超過した。今年はさらにシェアを広げ、64・4%に達するとみられている。

 中国電子商務研究センターはB2Cの拡大について、規制強化の動きに対応できないC2CプラットフォームがB2Cプラットフォームへと移行していった▽規模の大きいB2CプラットフォームがC2Cプラットフォームを併呑していった▽C2Cでの品質が不ぞろいであるといった問題を受けてB2Cへの需要が高まっていった――ためと分析している。

 プラットフォームごとのシェアを見ると、直近のデータでは「網易考拉海購」が21・4%で首位となっている。「天猫国際」(シェア17・7%)、「唯品会」(同16・1%)、「京東全球購」(同15・2%)と続き、大手4サイトで全体の7割超を占めている。

〈利用者は26~35歳に集中〉

 越境ECの利用者数を見ると、13年には1千万人だったが、その後は毎年50%を超えるペースで増加が続いている。17年の伸びは若干失速するものの、それでも前年比40%超の増加となるとみられている。中国電子商務研究センターは近年の越境EC利用者の拡大について、物流スピードの上昇により消費者の越境EC利用周期が大幅に短くなっている▽消費の高度化に伴い品質の高い海外製品への需要が高まっている――ことなどが背景にあると指摘している。

 16年の越境EC利用者を年齢別に見ると、26~35歳が全体の69・0%と大多数を占めた。次いで19~25歳の15・1%、36~45歳の13・0%となっている。中国電子商務研究センターはこの結果について、26~35歳の消費者は収入が安定しているなど一定の経済基盤があり、消費能力が高いと分析。同年代の消費者は結婚して子供がいるケースが多く、品質の高い海外製の乳児用品の需要が旺盛なためとも説明している。

 利用者の性別では男性が62・6%、女性が37・4%だった。利用者の所在地では、広東が全体の14・1%を占めて最も多い。これに上海(全体の13・2%)、北京(同12・2%)、江蘇(同9・2%)、山東(同7・2%)、浙江(同5・2%)、福建(同4・0%)と続いた。

〈化粧品と乳児製品が人気〉

 製品別の取引規模では、化粧品とマタニティー・乳児用品が最も多かった。ほかは、靴・衣類▽食品▽バッグ▽デジタル家電▽保健製品▽家庭用品▽玩具▽腕時計――が人気となっている。

〈越境EC試験区の上半期取引は倍増〉

 中国商務部の高峰報道官は3日の定例会見で、浙江省杭州市や天津市、上海市など全国13カ所の越境EC総合試験区での今年上半期(1~6月)の越境EC輸出入額は1千億元を超え、前年同期に比べ2倍を超える伸びとなったと明らかにした。うちB2B(企業間取引)が全体の6割を占めたという。〔NNA〕