ベトナム財務省/外資系企業に抜き打ち調査も/取り締まり強化へ新規則

2017年08月09日(水曜日) 午前10時2分

 ベトナム政府が、外資系企業の取り締まりを強化する方針だ。財務省が当局に対して、企業の資産や業績などについて定期的または抜き打ちで調査を実施することを許可する規則を公布した。ベトナムでは、地場企業と外資系企業で法律の適用のされ方が異なるケースが多く、外資系企業に対する監視やチェックがより厳しいと指摘する声もある。

 財務省は、調査権限を持つ機関に対し、外資系の企業や事業を管轄する機関の要請に基づき、年1回の調査に加えて定期的または抜き打ちで調査することを認める決定1381号(1381/QD―BTC)を公布した。外資系企業の経営実態や事業の進捗(しんちょく)などを把握することで、違法行為の取り締まりを強化することを目的としている。

 5日付「ベトナム・ニュース(VNS)電子版」などによると、調査対象には、土地や不動産、設備などの有形固定資産、ライセンスやリース、フランチャイズ契約などの無形固定資産が含まれる。このほか、輸入税の免除対象となる固定資産を形成する輸入品の適正使用▽銀行からの借入金▽社債発行による収益の使用状況▽予備費▽固定資産の減価償却費▽為替差益・差損の計上▽環境保全や従業員の待遇といった企業責任――も調査対象となり得る。国の出資金に対する利益配分についても調査を実施するという。

 決定1381号では、毎年10月に年1回の定期調査を実施すると規定する。財務省の企業財務局と査定部が協力して翌年の定期調査計画を策定し、11月末までに財務省に提出することも定められた。

 ある法律専門家はNNAに対し、「ベトナムでは、法律に定められた事柄について、地場企業と外資系企業では、適用のされ方が異なるケースが多い」と指摘する。同じ法律であっても、外資系企業に対する監視やチェックがより厳しく、慎重な対応が必要となる。

 ベトナムの法律は、日系企業にとっても悩みの種となっている。国際協力銀行(JBIC)が海外の日系企業を対象に実施した調査(「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」2016年度)によると、ベトナムでの事業の課題に「法制の運用が不透明」と回答した企業は35・6%で最多となり、「管理職クラスの人材確保が困難」(31・1%)や「インフラが未整備」(同)、「労働コストの上昇」(27・3%)などを上回っている。

〔NNA〕