ベトナム/FTAの恩恵は不十分/国内繊維・アパレル企業

2017年08月15日(火曜日) 午前10時49分

 ベトナムでは、自由貿易協定(FTA)の恩恵を受けているのは主に外国直接投資部門の企業に限られ、国内繊維・アパレル企業の大半は、うたわれたほどの恩恵を受けていない。ベトナム商工省とホーチミン市商工局がこのほど開いたFTAセミナーで明らかになった。「ベトナム・ネット」が伝えた。

 ホーチミン市商工局のグエン・ゴック・ホア副局長によると、ベトナムは12の自由貿易協定を締結し、うち10のFTA(ベトナム―ASEAN、ASEAN―インド、ASEAN―豪州―ニュージーランド、ASEAN―韓国、ASEAN―中国、ASEAN―日本、ベトナム―チリ、ベトナム―日本、ベトナム―韓国、ベトナム―ユーラシア経済連合)が発効している。

 FTAに基づき2016~20年の期間、ほとんどの関税分類品目で関税が非常に低く設定されるか、もしくは全くかからないことになる。ベトナム全般、特にホーチミン市では、繊維・アパレル製品が主要な輸出品目。もし企業がFTAで与えられる機会をうまく利用することができれば、ベトナムは輸出収入を引き上げ、輸出市場を拡大することができるとホア副局長は述べる。

 同時に「FTAに基づく特恵税率を享受するためには商品が原産地規則の要件を満たさなければならない。原料供給や裾野産業の弱さから、衣料品・織物関連の事業は原産地規則順守の壁に直面するであろう」と指摘する。

〈原料は輸入に依存〉

 ホーチミン市縫製・繊維・刺繍・編物協会のファム・スアン・ホン会長によると、繊維・アパレル産業では生産に必要な原料の約70%を主に中国から輸入しなければならない。「国内の繊維・アパレル企業は原産地規則の要件を満たすことができず、FTAの恩恵を十分に受けることができない。ベトナム企業がこれに関する知識を十分に持っていないことが主な原因の一つになっている」と同会長は述べる。

 ベトナム商工省輸出入課原産地部門長のチン・チ・トゥ・ヒエン氏によると、ベトナムの繊維・アパレル製品の50%以上がFTAによって与えられる恩恵を最大限に活用しているが、そのほとんどは外国直接投資の企業という。「原産地規則によってFTAの特恵関税が相殺されてしまう」と言う。

 FTAに基づく特別待遇を受けるためには、全般または品目別に制定されている原産地規則の要件を満たし、原産地証明(C/O)を取得しなければならない。各FTAにはそれぞれの原産地証明が設定されている。

 ASEANのFTAではベトナム国内で製品が加工・製造されればC/Oを取得の条件を満たすことになるが、ASEAN―日本、ベトナム―日本協定などその他のFTAでは生地以降の原産地規則を満たさなければならず、依然として輸入生地に大きく依存しているベトナム企業にとっては大きな課題となっている。

 ヒエン氏によると、EU―ベトナムFTAではより柔軟な原産地規則が適用されるよう、商工省が交渉したという。同FTAでも生地以降の原産地規則が適用され、EUへの輸出品にはベトナム国内又はEUで生産された生地が使用されなければならないが、ベトナムおよびEUとFTA協定を結んでいる第三国のうち1カ国で生産されている生地も使用することが認められている。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕