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日系がローカルSPA開拓へ/差別化志向が高まる中/「インターテキスタイル上海 ホームテキスタイルズ」開幕

2017年08月24日(Thu曜日) 午前11時24分

 ホームテキスタイルの国際展示会「インターテキスタイル上海ホームテキスタイルズ2017秋」が23日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開幕した。日系企業は約10社が出展。差別化志向を高めるローカルSPAを開拓しようと、各社が独自素材の訴求に力を入れている。(岩下祐一)

 今回展には、30カ国・地域のホームテキスタイル関連企業1200社強が出展している。展示総面積は16万平方メートルで、4万人弱の来場見通し。

 インド、韓国、パキスタン、台湾、ベルギー、モロッコ、トルコがそれぞれ海外パビリオンを設けているほか、中国も浙江省海寧市(嘉興市)、紹興市、桐郷市(嘉興市)、余杭区(杭州市)が地域パビリオンを出展している。

 日本企業はパビリオンこそないものの、各社とも例年以上にアピールに力が入る。背景にはローカルのホームテキスタイルSPAを中心に、地元企業が差別化志向を高めていることがある。

 アパレル業界と同様、中国ホームテキスタイル業界も、過剰生産と商品の同質化にネット通販の攻勢が重なり、ここ数年は業績低迷や成長鈍化が目立っている。こうした中、業界をリードするSPA上場企業5社は、これまでの寝装中心の取り扱いから、リビングや家具、内装まで総合的に提供するモデルに脱皮を図ろうとしている。

 「差別化」もキーワードだ。昨年11月11日(独身の日)のネット通販の販促キャンペーンでは、業界最大手の羅莱生活科技がマイナスイオンを付与したブラッシュド加工の綿100%素材やゴッホの絵画の高級プリント地の寝装寝具を前面に打ち出した。

 こうした企業の日本素材への関心は高い。羅莱生活科技の薛偉成董事長は「日本の繊維、生地メーカーとコラボしていきたい。日本素材は機能性や風合いに優れ、競争力がある」と話す。

 今回展に日系出展者で最大規模のブースを構える旭化成グループは、寝装用途向けにキュプラ繊維「ベンベルグ」とスパンボンド不織布「エルタス」をアピールしている。ベンベルグの内販はアパレル用途で成果を上げているが、さらなる拡大を狙い、差別化志向が高まる同分野の開拓を今年本格化した。商事会社、旭化成国際貿易〈上海〉の石川智総経理は「(ホームテキスタイル業界での)知名度向上が課題。素材単体ではなく、イメージが伝わりやすい製品を売り込んでいく」と述べる。

 ホームテキスタイルの内販で日系最大規模とみられる蔭山は、近年順調に売り上げ規模を拡大。同社の売り上げに占める中国内販の構成比は1割弱で、日本に次ぐ。伊藤忠一社長は「大手SPAが風合いと機能性を重視するようになっている」と説明する。今回展ではベンベルグ使いの羽毛ふとん地の風合いや、温度調整機能使いの製品を訴求している。

 田村駒は、今年3月展に続き2回目の出展。中国市場に合わせ日本よりも幅を広く調整した羽毛布団の側地と布団カバーを出展した。大手SPAから中堅まで、今後幅広く顧客を開拓していく。