中国/資産1億円、7%増の362万世帯/北京が最多、上海は香港を超過

2017年09月12日(Tue曜日) 午前11時8分

 中国の民間シンクタンクである胡潤研究院によると、中国本土で600万元(約1億円)を超える規模の資産を保有する世帯数は今年年初時点で362万世帯となり、前年から7・1%増加した。地域別では北京市が63万5千世帯で最も多く、広東省がこれに続いた。上海市は55万世帯となり、初めて香港を超過した。

 胡潤研究院が5日、「2017胡潤財富報告」として発表した。調査は中国本土のほか、香港やマカオなどを加えて実施。各地の高級住宅戸数や高級車の販売台数、個人所得税の申告状況、その他の高額消費のデータなどを基に分析した。資産は2017年1月1日時点での住宅などの固定資産、株式や預金などの流動資産が対象となっている。

 中国本土の保有資産が600万元を超える世帯のうち、さらに1千万元以上の資産を持つ世帯は146万9500世帯(前年比9・7%増)、1億元を超える世帯は9万9350世帯(11・6%増)だった。

 胡潤研究院の董事長で首席調査研究員であるルパート・フーゲワーフ(胡潤)氏は富裕層の拡大について、「不動産価格の上昇とイノベーション産業がけん引した」と分析している。

 中国本土の保有資産600万元超の世帯数を省・区・直轄市別に見ると、北京、広東(62万8千世帯)、上海の順で多かった。以下、浙江省(47万2千世帯)、江蘇省(26万8千世帯)、福建省(13万8千世帯)、山東省(13万7千世帯)までが10万世帯を超えており、沿岸部に富裕層が集中していることが分かる。

 保有資産600万元超の世帯の増加率を見ると、上海の9・8%、北京の9・5%が突出して高く、安徽省(8・6%増)とチベット自治区(8・3%増)も8%台となった。ほか全体平均(7・1%)を超えたのは海南省(7・5%増)、浙江(7・5%)、寧夏回族自治区(7・4%増)、湖南省(7・3%増)、江蘇(7・2%増)で、一部の内陸部では富裕層が急速に増えている。

 一方で重工業の不振などで景気低迷が続く東北3省は、吉林省が3・0%増とプラスだったものの、遼寧省は1・3%減、黒竜江省は0・9%減とマイナスで、全国の省区市の中でこの2省だけが減少している。

〈香港52・8万世帯/マカオ1.7万世帯〉

 香港の保有資産600万元以上の世帯数は3・3%増の52万8千世帯、今回から調査対象となったマカオは1万7千世帯だった。今回の調査で、上海の資産600万元以上の世帯数が初めて香港を超過している。フーゲワーフ氏は「同調査を開始した9年前には世帯ごとの購買力は香港やマカオが中国本土の都市を大きく上回っていたが、現在は様変わりした」と振り返っている。

〈1千万元世帯は/広東が最多〉

 保有資産が1千万元を超える世帯の数を見ると、広東省が26万8千世帯(前年比11・7%増)で、中国本土の省区市の中で最も多かった。北京の26万3千世帯(10・5%増)、上海の23万世帯(12・2%増)が続く。これら世帯主の職業を見ると、企業経営者が55%を占めた。次いで大手・グローバル企業幹部が20%、不動産投資家が15%、株式投資家が10%となっている。

 資産1億元を超える世帯は、北京(1万7400世帯)、広東(1万5700世帯)、上海(1万4800世帯)、浙江(1万2千世帯)の順で多く、この4省市のみ1万世帯を超えている。資産1億元世帯の世帯主の職業は75%が企業経営者となっている。〔NNA〕