台湾繊維企業/日本市場への提案強める/開発力生かし販路開く

2017年09月13日(水曜日) 午後1時44分

 台湾の繊維企業が日本市場へ新素材の提案を強める。11月1、2日に大阪市中央区のOMMビルで開かれる台湾繊維総合展「パンテキスタイルフェア大阪2017」には過去最多の51社(前年比6社増)が出展する。強みとするのは、これまで世界的なスポーツ・アウトドアブランドなどとの取り組みで培った高度な素材開発力だ。機能性やファッション感度、エコなど独自性のある素材で新たな販路を切り開く。(橋本 学)

 台湾繊維企業が日本市場に前のめりになる背景には、これまで稼ぎ頭だった欧米向けの輸出が伸び悩んでいることがある。

 台湾の繊維産業連合会に当たる紡拓会(台北市)が先月発表した2017年上半期(1~6月)の繊維品貿易概況によると、総輸出額は前年同期比0・3%減の49億6800万米ドルとわずかながら減少。このままで推移すれば15年から3年連続で縮小することになる。主な輸出先は輸出額の高い順からベトナム、中国、米国、香港、インドネシアで、製品の総輸出額の6割を占める。

 パンテキスタイルフェア大阪への出展を重ねるテキスタイルメーカーのある担当者は、日本市場を強化する背景について「新興国のローカル企業の品質が上がり欧米向けの競争が激化しているため、新たな売り先として日本が重要なマーケットになる」と話す。

 欧米独特の発注スタイルも日本市場に向かう要因の一つだ。「ある年に欧米アパレルから大量に受注できても次の年にはゼロになることもあり、欧米依存では安定した経営は難しい。それに対し日本の顧客は小口需要が多いが、一度決まれば継続的に発注してくれる」(台湾企業の海外営業担当)

 日本のスポーツ・アウトドアウエア市場が今後、上向くという期待感も売り込みを後押しする。8月下旬に取材した台湾企業20社のうち多くの企業から「東京五輪に関連した機能衣料市場が拡大する」といった明るい見通しが聞かれた。

 11月のパンテキスタイルフェア大阪には多くの新素材が登場する。中でも台湾が得意とするアウトドア・スポーツウエア用の機能テキスタイルは見どころの一つ。従来の後加工に加え、原料段階での染色・加工、糸への練り込み、編み・織り組織で機能を持たせるなど洗濯耐性を備えた機能素材も多い。スポーツからユニフォーム用途としても使えるようにした素材もある。

 感度面では、スポーツテキスタイルを風合いやドレープ性で改良し高級レディースアパレル用途にした生地や、高度な染色技術による先染め糸のグラーデーションにプリントを組み合わせた生地、伸縮によって生地に柄が現れたり、色が変わったりするダブルフェース生地が新しい。

 環境配慮型の新素材でも充実する。低温染色による環境負荷の低減、ペットボトル由来の再生ポリエステル、海洋に廃棄された魚網由来の再生ナイロン、稲の籾殻を繊維原料とした繊維、車両用ガラス由来の再生繊維など珍しい再生繊維も披露する。