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PVパリ閉幕/改めて認知された重要性/「会期遅いが、最も有用」

2017年09月25日(Mon曜日) 午前11時16分

 「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ2018秋冬」が3日間の会期を終えて21日、閉幕した。国内市場の閉塞感が強まる中、日本の出展者からは、PVを軸にした輸出開拓作業の重要性が相次いで示された。

(パリ=吉田武史)

 今年から7月に会期を早めたイタリアの「ミラノ・ウニカ」や同じ9月に開かれるドイツの「ミュンヘン・ファブリック・スタート」など欧州主要服地見本市の中で、PVの会期は最も遅い。「商談という意味で言えば遅すぎる」(日本の複数の出展者)との声がPVの会期に寄せられる一般的な評価だが、それでもPVへの出展者は増えることはあっても減ることはない。今回展でも、過去最多の59社がPVパリに属する六つの見本市に日本から参加した。

 中核のPVファブリックへの日本の出展者は44社。新規出展はなかったが、3年ぶりの出展を果たした森下メリヤス工場の森下展行社長はPVを、「これほど全世界からバイヤーが集まる展示会は他になく、やはり群を抜いて重要」と評価し、今後も継続出展する意志を固めた。開催国であるフランス、その周辺のイタリア、ドイツ、スペイン、英国といった主要国だけでなく、北欧や東欧、米国、中国などからバイヤーが集結するのがPV。会期は遅くても、ここを無視して輸出拡大は成らないという評価が定着している。

 会期の遅さを事前のラウンド営業で補完する日本企業も多い。「7月には主要なブランドへの提案は済ませている」(東光商事、スタイレム、瀧定名古屋、小松精練など)ため、PVをその確認作業や次シーズンへの先行提案の場、新規顧客との出会いの場、既存顧客との親交を深める場と割り切る傾向がある。

 とはいえ、「欧州でも引き付け型のブランドが増えている」(スタイレム)ことから、商談の場としても一定の役割を果たしているのが、現在のPVの立ち位置と言える。

〈表面変化素材が主役/表・裏異素材にも脚光〉

 今回のPVファブリックでは、プレーンな表面感ではなく、ジャカード、レース、刺しゅう、毛足、加工による凹凸――など表面に変化を持たせた生地の打ち出しが数多く見られた。同時に、2重織りやボンディング、編み込みなど表と裏に異なる素材を使った生地提案が活況を呈した。

 “トレンド発信基地”であるPVファブリックに設けられた各フォーラムでも表面がプレーンな生地は少なく、視覚にも触覚にも訴える表面変化生地が目白押しだった。プレーンな生地よりも表面変化生地の方が展示映えするという要素はあるとはいえ、「表面変化」が服地トレンドの一角を形成していることは間違いない。

 表・裏異素材も目立って台頭してきた。ここ数シーズンは「融合」というキーワードが服地トレンドをけん引しており、18秋冬はそのピークを迎えたと言える。

 象徴的だったのが、PVアワードの受賞作品のほとんどが表面変化生地、そして、表・裏異素材だったこと。ファブリック部門の審査員大賞を獲得したエイガールズの作品もこの二つの要素を併せ持っていた。