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シリーズ事業戦略/富士紡ホールディングス/ネット販売が20%増/アングルも攻めへ転換/執行役員 フジボウテキスタイル社長 フジボウトレーディング社長 アングル社長 井上 雅偉 氏

2017年10月02日(Mon曜日) 午前11時36分

 富士紡ホールディングスの繊維事業は2017年3月期に連結ベースで減収減益を余儀なくされた。百貨店を主販路とする高級肌着製造販売子会社のアングルで、構造改革を行ったためだ。その構造改革を終え、今期には攻めの構えで臨む。2017年4~6月期連結決算の繊維セグメントは5.7%の増収で、営業利益は16.6倍になった。4~9月期も増収増益になると見込む。マイナス要因がなくなったことに加え、誕生20周年を迎えた「BVDレディース」のネット通販などが好調なことがけん引する。

  ――2017年4~9月期の繊維事業の業績は。

 増収増益の見込みです。前年度は百貨店向け販売部門の構造改革を行ったことがブレーキになりましたが、それが終わって同部門が普通の状態になり、マイナス要因が消えました。

  ――百貨店販売部門とは、アングルのことですね。

 百貨店の店頭在庫を圧縮しました。これにより返品が減少。物流コストが下がり、手間も減りました。不採算店での販売方法や商品構成も見直すとともに、撤退も一部行いました。これらの効果でアングルは、黒字浮上しました。

  ――「BVD」のネット通販が伸びています。

 20%増で推移しており、4~9月期もこの流れが続いています。「涼ブラ」を中心とするレディース商品がけん引しています。「BVDレディース」は、店頭販売もいいです。BVDレディース誕生20周年を記念したキャンペーンを行っていることや、赤無地にBVDの文字を白抜きしたメンズと同じロゴに17春夏から統一したことなどの効果が出ています。アングルの商品パッケージも変える予定です。

  ――肌着のOEMは。

 堅調です。産学共同開発の機能性肌着のOEMなどが、ロードサイド向けに堅調に推移しています。

  ――紡績事業は。

 昨年春に、大分市にあるフジボウテキスタイルの紡績工場の紡機を5千錘削減し、1万4600錘にしました。これにより定番品の見込み生産を減らし、受注生産を増やしました。現在生産している糸の大半は、ヒモ付きになっています。堅調に推移しており、紡績スペースを埋めるために、採算の悪い商品も生産するということはしていません。

  ――丸編み地は。

 百貨店販路向けが中心なので、昨年同様苦戦しています。

  ――今後の課題を。

 BVDについては、ネット販売とレディースが堅調なので、この流れを強めることです。ネット商品の企画を充実させ、認知度をさらに高めます。涼ブラに続くヒット商品の企画も重要です。

  ――BVD売上高の中のレディースのウエートは。

 20%強です。主力のメンズの売上高は、前年並みで推移しています。

 大手量販店やロードサイド向けの肌着OEMについての課題は、当然ながら受注確保に努めることです。

  ――BVDやOEM肌着の海外生産について。

 中国で生産していたニット製品のうち、タイの方が、コストメリットがあるものの生産をタイに移管しています。タイの縫製能力を増強するとともに、ベトナム、カンボジア、バングラデシュなどの協力工場も活用し、適材適所でのモノ作りを進めます。

  ――黒字浮上したアングルの課題は。

 百貨店での販売を楽観視できる状況にはありません。「アサメリー」「エアメリー」ブランドの肌着は堅調に推移しているので、これらの訴求をどう上げるかが課題ですね。百貨店以外の販売チャネルも模索する必要があります。

 前年度は構造改革の年でしたが、今年度から攻めます。他のブランドを含め、パッケージや商品構成を見直します。18春夏に向けて、認知度を高めることに取り組みます。

 アサメリーの素材を、フジボウテキスタイルの大分工場で紡績しているのですが、この素材を使ったOEMの話もあります。これにも対応していきます。

  ――紡績部門の課題は。

 今は堅調ですが、市況は良くありません。顧客との取り組みを強化し、事業を安定させることが課題です。

  ――フジボウテキスタイルの丸編み地染色加工場である和歌山工場(和歌山市)は、外部からの受託加工が中心です。

 百貨店を主販路とする高級生地の染色加工が中心です。ただ、百貨店販路での販売が芳しくないので、海外への編み地販売に力を入れている企業と組んで、海外向け生地の受託も増やしたいと思っています。これにより閑散期(7~9月)の操業度を高めたい。同じ理由で、秋冬向け生地の受託にも力を入れています。そのために設備投資もしています。獣毛混関連の生地の加工も既に一部行っており、さらに増やしたいと思います。