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クラレ/次期中計で設備増設/生産・開発・販売一体で需要開拓

2017年10月06日(金曜日) 午後3時15分

 クラレの繊維カンパニーは2018年にスタートする次期3カ年中期経営計画でビニロン繊維、高強力ポリアリレート繊維「ベクトラン」、メルトブロー不織布などで設備増設を実施する構想を持つ。豊浦仁取締役常務執行役員繊維カンパニー長は「全ての素材で設備投資が必要な段階に入った。ビニロンは新プロセスによる量産ラインの実用化も進める」と話す。

 クラレは17年12月期が現中計の最終年度となる。このため現在、18年度から20年度までの次期中計の策定を進めている。繊維カンパニーは、ビニロン、ベクトラン、不織布の各素材で堅調な販売が続き、供給能力も限界に達しつつあることから、次期中計では各素材とも設備増強を実施する構想の骨子を固めつつある。

 ビニロンは新プロセス製法「VIP」によるテストプラントが稼働中だが、次期中計期間中には量産プラントの設置を計画する。投資時期や立地について検討。豊浦取締役は「現在、ビニロン繊維を生産しているのは中国を除けば当社だけになった。災害などに備えたBCP(事業非常事態計画)も考慮しなければならない」と指摘。このため増設の立地は海外も含めて検討する。

 ベクトランも欧米やアジア市場での需要拡大が続いており、生産能力は満杯になりつつあることから、やはり次期中計内で増設を計画する。ベクトランの生産新プロセスの開発も進める。次期中計での増設は既存プロセスで実施する方向だが、その次の中計(21年~23年度)では新プロセスの実証プラントを立ち上げ、中量産まで行う構想を描く。

 そのほかメルトブロー不織布も好調な需要に対して供給能力が限界に達しつつあることから20年度までに製造ラインの増設を検討する。

 設備増設に合わせて需要のさらなる掘り起こしも不可欠になる。このため次期中計では、「生産・開発・販売が一体で取り組み、マーケット・用途の幅を広げることが重要になる」と指摘する。設備投資を実施した場合、中計期間3年のうち1年以上は工期に費やされることから、中計と接続する23年度までの6カ年の事業計画も策定を進めており、中長期的視点から業容の拡大を目指す。