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宇仁繊維 宇仁社長/開発生地の「高級化」推進/メーカー機能発揮して

2017年10月10日(Tue曜日) 午前11時14分

 宇仁繊維(大阪市中央区)は2018年8月期方針として、開発生地の高級化を掲げる。「百貨店の衣料品販売が苦戦しているが、高級品は悪くない」(宇仁龍一社長)ことがその背景。

 同社はポリエステル薄地織物をベース生地に、色や加工で表情を変えて品種を増強。備蓄機能を持ち、多品種・小ロット・短納期体制を強みに国内外で顧客件数を拡大してきた。創業から19期目を迎え、グループ売上高が100億円に迫る現状、小ロット販売による新規顧客開拓に加えて重視するのが、大手アパレルや高級ブランドへの供給増。その際に必要となるのが、開発生地の高級化であり、付加価値化であると判断する。

 メーカー機能を活用して、ジャカード、インクジェットプリント、各種後加工で付加価値化を進める。ジャカードは、同社が設備を購入して機業に貸与する取り組みをこれまで播州産地の藤井福織布(兵庫県西脇市)や北陸産地で進めており、これを活用する。

 インクジェットプリントは創業時から懇意にし、専用ラインも設置する染色加工場、美研繊維(京都市)との取り組みを強化。各種後加工では資本参加し、設備も貸与する染色加工場、トーカイケミカル(石川県白山市)を軸に進める。

 しばらく休止していたウールの取り扱いも今年から復活しているため、その提案も強めつつ、綿やトリアセテート、中肉・厚地などの増強にも臨む。

 宇仁社長は「スピードや小口対応といった機能は従来から備えてきた。コストダウンにも継続的に取り組んでおり、次は高級化(付加価値化)が業績拡大のポイントになる」と言う。

〈17年8月期/創業以来18期連続増収/在庫処分損などで利益は苦戦〉

 宇仁繊維の2017年8月期業績は、売上高が75億円(前期比7・1%増)で、創業以来の18期連続増収を果たした。営業利益は9800万円(59・3%減)、経常利益は1億8100万円(20・1%減)、純利益は1億2400万円(2・4%減)だった。

 宇仁龍一社長によると増収には人員増による新規開拓や、大手ブランドへの提案を意識的に強めたことなどが寄与。16年8月期に15%増だった輸出事業(中国除く)は6%増とやや鈍化したものの引き続き伸長した。減益には在庫処分損や利益率の低下、人件費増などが影響した。

 子会社の宇仁テキスタイルは売上高が横ばいの10億円で減益。丸増は売上高が3億8000万円(5・0%減)で大幅減益、初年度のウインザーは売上高が1億7400万円で赤字、同じく初年度のオザキプリーツは売上高が1億3千万円で黒字、宇仁繊維ファッションは売上高が横ばいの5千万円だったが赤字幅が拡大した。

 上海と北京の中国法人の17年12月期売上高は計5億円前後になる見込みで、両法人を加えたグループ売上高は97億8千万円になる。

 18年8月期は単体売上高で81億円を計画し、グループ売上高では初の100億円突破を見込む。