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「インターテキスタイル上海」/生地商が「尖った」素材出展/サービス充実もアピール

2017年10月13日(Fri曜日) 午前11時18分

 【上海支局】今日13日まで上海で開かれている服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2017秋」では、日系生地商がファッション感度を高めるローカルブランドを意識し、「尖(とが)った」素材を打ち出している。店頭不振やネット通販の拡大で引き付け型の発注が増える中、小ロット・短納期対応などのサービスの充実を訴求するところもある。

 スタイレムは今回も個展との同時開催を実施。感度の高いデザイナーズブランドに向け、光沢感のある綾織りなど、多彩な日本製高級素材をアピールしている。両会場とも「初日から多くの来場者が訪れている」(安田季隆取締役中国総代表)。

 瀧定名古屋も個展との同時開催で臨んだ。ボードで最新ファッショントレンドを紹介しながら、撥水(はっすい)ボンディング加工の多層構造で軽量のポリエステル素材など、後加工にこだわった素材を打ち出す。QR体制の紹介にも注力。「百貨店アパレルやネット通販ブランドが引き付け型の発注を増やしている」と鈴木伸也副総経理助理は述べる。

 サンウェルは、柔らかく温かみのある風合いの綿フランネルなどの独自企画素材の訴求とともに、このほど始めたスマホ向けSNS「微信(ウィーチャット)」を使ったサンプル請求システムの紹介に力を入れている。

 ヤギは、香港法人の八木香港主導で出展。欧米ブランドをターゲットにするリサイクルコットン素材などを前面に打ち出している。

 宇仁繊維は、カレンダー加工や経編みベロアなどの素材を、サンプルのアパレル製品も見せながら訴求。撚糸を掛けてコンパクトに表現した素材などの差別化素材が、引き合いを受けている。

 双日ファッションは、小ロット・短納期に対応し、一色一反から販売するサービスをアピール。素材では販売好調が続くタイプライタークロスの新商材の訴求に力を入れている。

 チクマは高密度ストレッチ、軽量2重織り、横2重織りリバーの三つを軸に据え、トレンド情報とともに紹介している。

 柴屋は「独自性を持った小規模のブランドの感度が高まっている」(翁琴琴・上海事務所所長)ことから、麻・ウール素材などの風合いを重視した素材を前面に打ち出している。

 田村駒は、インビスタのナイロン繊維「コーデュラ」使いの機能素材や、綿タッチのポリエステルニット生地、キュプラ素材など、バラエティー豊かな商材を紹介している。

〈合繊メーカー/シーンに焦点当てる/例年とは提案方法変える〉

 【上海支局】「インターテキスタイル上海」の「ジャパン・パビリオン」には、合繊メーカーから旭化成と帝人フロンティアが出展している。天候に恵まれず展示会全体では来場者が増えた印象が少ない中でも、初日の訪問客数はともに昨年を上回る形となった模様だ。「例年より盛り上がる時間が早かった」など、まずジャパン・パビリオンを訪れる来場者が増えてきたことをうかがわせる声も聞かれた。

 旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」をメーンに展示した。例年はトレンド紹介に力を入れていたが、今回は素材特性の紹介を中心にした。「若い世代ではベンベルグのことをあまり知らない人も多い」という認識があり、改めてベンベルグそのものをアピールしたもので、特に環境配慮型素材としての訴求に力を入れた。

 ブース入り口では、実際に土に埋めて試験した製品サンプルを用意し、ベンベルグの生分解性を紹介した。ブース中央では原料であるコットンリンターを置き、通常は廃棄されている部分を原料とするリサイクル素材としての特徴を訴求したほか、ベンベルグ工場の環境への取り組みを紹介している。ベンベルグ工場は自社の水力発電を持つなど使用エネルギーの約40%を再生可能エネルギーとしているほか、ゼロエミッション化の取り組みの中で廃棄物99・8%の削減を実現している。

 帝人フロンティアは「ソロテックス」「ミノテック」「デルタ」などを紹介している。ソロテックスは商品バリエーションが広がる中、今回展ではストレッチ性を生かした伸縮ウエア企画「ムーブイット」と形態安定性を生かしたパッカブル企画「パックイット」で、出張を含むビジネスシーンに焦点を当てた提案を行った。

 表面で水滴を転がり落とす生地構造で高い撥水(はっすい)性能を実現した「ミノテック」も好評を得たほか、「ウェーブロン」による機能インナー、インディゴによるデニム調ポリエステル素材なども紹介した。

 ブースでは北京服装学院と協業し、学生が「ソロテックス」や「ミノテック」を使って作った作品も展示した。初日はこの取り組みは好評で、作品を見て素材をピックアップした訪問客も多かったという。