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特集 パンテキスタイルフェア大阪2017/台湾の多彩な機能素材が一堂に!/近年最多の51社が来日/11月1、2日大阪OMMビルで

2017年10月20日(Fri曜日) 午後3時6分

 台湾の繊維産業連合会に当たる、紡拓会(台北市)は、11月1、2日、大阪OMMビル(大阪市中央区)で繊維総合展示会「パンテキスタイルフェア大阪2017」を開く。1991年の初開催から40回目となる今回の出展者数は近年最多の51社。昨年に比べ6社増え、展示スペースも拡大して開催する。有力素材メーカー20社を紹介する。

〈ベトナム一貫生産軸に/旭寛企業〉

 ニット生地・ニット製品OEMが主力。今回展ではベトナムの生産拠点での素材から製品までの一貫生産体制をアピールする。

 欧米を中心としたカジュアル・スポーツブランドで、売り上げは全体の80%を占める。これまで台湾、中国で生産した高機能テキスタイルをケニア、レソト王国、エチオピアといったアフリカで縫製し、対欧米向けで免税メリットを強みにシェアを高めてきた。

 日本向けのシェアは、5%以下と小さいが、大手スポーツメーカー、総合商社との実績は既にある。

 特にベトナムの拠点から日本への輸出関税メリットを生かした縫製品でシェアを高める。

 接触冷感、抗菌防臭、UVカット、温度調節、エコプリント生地といった多種多様な高機能生地を小ロット、多品種生産で供給する。顧客ごとの素材開発にも応じる。

〈主役は「ニットデニム」/達歩施企業〉

 デニム生地の販売と製品OEMを主力とする。今回展は独自素材「ニットデニム」の日本での販売拡大が目的。

 ニットデニムは2008年に台湾で初めて開発した丸編みのデニム調素材で編み組織ならではの収縮性に加え、機能糸を使うことによる高い付加価値がアピールポイント。製品での受注増を目指す。

 ニットデニムはビンテージ感、ウオッシュ感といったデニムと同様の表情を出せる。「特有の顔の作り方に当社のノウハウが必須なため製品での受注を狙う」(何明光董事長)

 機能面ではサバの表皮由来のコラーゲンをわた段階で含ませることで、生地をしっとりした肌触りにする加工や涼感、吸水速乾性を持たせた素材、スパンデックス混でスポーツウエアにも使えるニットデニムもある。

〈特殊ニット 新柄続々/享和実業〉

 スポーツ用途の特殊ニット生地専業メーカー。ナイロン・スパンデックスやポリエステル・スパンデックス混紡、ニットジャカードなど編みの技術で多彩な表現力を持つ。

 今回展ではスポーツ衣料向けの意匠性の高い機能テキスタイルのハンガーサンプル約300点を披露する。高度技術で鮮やかなメランジグラデーションを表現した生地の新色、新柄を披露する。トリックアートにアイデアを得た柄に立体感のある生地も開発した。

 昨年のインターテキスタイル上海では4点の生地が優秀賞として入賞した。現在の主な顧客は、アメリカの大手インナーやスポーツ、カジュアルブランド。

〈ユニフォーム素材も/宏良国際〉

 機能合繊を主体とするテキスタイルメーカー。販売額の6割が織物によるもので、残りがニット素材。欧米の有名ブランドでスポーツ・アウトドアに加え作業服・サービスウエア、カジュアルでも採用実績がある。

 新たに開発したのがダブルフェースの生地。2層構造でストレッチ性があるため伸長したときに裏地の色が現れ、全体の色が変化する。スポーツウエアの関節など可動域に使用することで色が変わるユニークな商品が作れるという。

 その他には撥水(はっすい)、高通気、多層構造による透湿防水、銀成分による抗菌防臭、吸水速乾、接触冷感、保温、高視認、環境配慮型素材などがある。

〈ウール混が充実/佳和実業〉

 機能織物メーカー。天然素材と機能合繊を組み合わせた生地を得意とする。今回展ではウール、綿、麻、「テンセル」などとナイロン繊維「コーデュラ」を混紡した新作を披露する。秋冬だけでなく春夏向けも充実する。

 特にウール素材では台湾屈指の扱い量を誇る。原料の仕入れ、紡績、織り、染色整理加工まで一貫して手掛ける。欧米向けが主力、日本向けは売上高全体の1割程度。アウトドア・スポーツだけでなくファッションアパレルに向けても提案する。

 7割が生地売り、3割が糸売り。アウトドア・スポーツウエア、アスレジャー、フォーマル、ユニフォーム、カジュアルと幅広い分野に向けて提案する。

〈スポーツ衣料用トリコット/五綸織造〉

 スポーツウエア向けニットテキスタイルメーカー。生地売りがメインで、トリコットを得意とする。日本でのシェア拡大に向けて日本語対応が可能なチームを組んで販売増を狙う。

 ヨガウエア、水着などスパンデックス混の生地が充実する。ジャカード編みやハイゲージにも対応可能。36ゲージ編み機を所有する。

 生地の生産量のうちトリコットが6割、丸編みが4割ほど。主な販路は欧米のスポーツ、インナーブランドで日本を含むアジアへの売上高は全体の1割ほど。日本でも大手スポーツメーカーの商品で実績がある。

 機能は糸や生地への薬剤加工による高撥水、吸水速乾、接触冷感、帯電防止、抗菌防臭、消臭、発熱などバリエーションが豊富。生産拠点を台湾とベトナムに持つ。

〈PP素材彩り豊かに/三洋紡織繊維〉

 ポリプロピレン(PP)素材メーカー。今回展ではマスターバッチの段階で染色することでさまざまな色表現を可能にしたPPスエード調人工皮革素材を披露する。昨年よりも色や柄を増やしてアピールする。2年前までは黒、白、灰の3色だけだった。

 高い通気性と撥水機能を両立した新たなPP素材も登場する。衣料用途以外にアウトドア用品向けの需要を狙う。撥水機能はPP本来の疎水性によるもの。

 色は原料段階で付けるため染色、耐光堅ろう度が高い。ジャカード調や格子柄などデザイン面でも幅広い表現が可能。欧米向けですでに取引を始めており日本でも新たな販路を模索する。

〈ファッション対応を強化/佳群興業〉

 合繊織物を主力とするテキスタイルメーカー。スキーウエア用途の多機能素材で世界的に高いシェアを誇る。

 現在、業績拡大のためにスキー以外の分野への生地開発に力を入れている。今回展ではスキーウエア素材以外にもスポーツ・アウトドアやカジュアル・ファッション衣料向けの素材を充実させる。

 スポーツ分野へはゴルフ、自転車ウエアに最適な機能テキスタイルを開発した。

 ファッション分野では2年前にスポーツ向けの生地を光沢感やドレープ性で改良した生地が「グッチ」「アルマーニ」のジャケット用素材として採用された実績もある。

〈環境配慮アピール/遠東新世紀〉

 台湾有数のコングロマリット。祖業である繊維事業は川上から川下まで展開しており台湾屈指の事業規模を誇る。今回展には紡績糸部門とフィラメント部門の一部が出展する。世界の最新のトレンドに応じた機能テキスタイルが一堂に会する。

 今回展はリサイクル繊維がイチ押し。その一つが海洋に投棄されたペットボトルを原材料にしたポリエステル糸だ。「オーシャン・プラスチック」とブランディングし地球環境に貢献する素材として位置づける。

 フィラメント部門からは防汚素材「トップクリーン」を訴求する。ポリエステルのポリマーを改質することで親水性を持たせた生地で、コーヒーなど従来、落ちにくい汚れも水にさらすだけで落ちるようにした。

〈多彩な機能低価格で/福懋興業〉

 合繊主体のテキスタイルメーカー。台湾の化学最大手、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)のグループ会社で、機能素材や高度な加工技術を強みとする。

 今回展では機能性、とデザイン、さらにコストパフォーマンスをも追求した多種多様な素材そろえる。同社は台湾とベトナムの自社工場で生産した製品を欧米をメインに販売している。日本の主要顧客は大手SPAだ。

 近年、重点的にアピールしている商材として、保温に優れた超軽量素材や多層構造の透湿防水生地、吸水速乾ストレッチ素材だ。エコ商材にも注力しており、無水捺染素材もある。スポーツ・アウトドア分野で新規顧客開拓を目指す。

〈目玉は「リッチ・ヤーン」/佳紡国際貿易〉

 合繊素材「リッチ・ヤーン」がイチ押し。スポーツウエアだけでなく作業服、シャツ、肌着にも使える素材として提案する。

 リッチ・ヤーンは原糸段階でUVカット性、抗菌防臭性を持たせた独自素材で、ポリエステルとナイロンの2種類がある。生産量の9割が生地売り。

 これまで欧州市場でシェアを高めてきた。ドイツ大手作業服アパレルへ年200万ヤードを供給する。

 今回はリッチ・ヤーンを厚地にした作業服用、逆に薄地にしたビジネスシャツ用も披露する。

 肌着用に三菱ケミカルのマイクロアクリル繊維「ミヤビ」60%・リッチ・ヤーン40%の生地も開発した。ミヤビの抗ピリング性、柔らかな肌触り、温かさに加え、抗菌防臭、UVカット、ウィッキング性といった機能を併せ持つ。

〈ユニフォーム向け強化/東紡興業

 スポーツアパレル向け機能テキスタイルメーカー。今回展では、ワーキングウエアや医療・介護分野への提案を強める。

 医療・介護分野では現在、抗菌防臭や制菌、消臭加工といった機能テキスタイルを開発中。効果を実証した上で販売する。今月に清潔と衛生に関連したSEKマークを取得する予定。

 作業服分野で重点的にアピールする素材の一つが独自のY字断面機能糸「ミニアール(miniR)」。ポリエステルとナイロンの2タイプがあり、綿、ウール、レギュラーポリエステルなどと組み合わせて使う。

 この糸の特徴は紡糸段階で機能を付加するため、洗濯耐性に優れていることだ。消臭や吸湿+接触冷感、べたつき防止、放熱性、帯電防止などの機能付加が可能で、複数の機能の組み合わせも可能。

〈環境に優しい繊維を訴求/富勝紡織〉

 ペットボトルからリサイクルした繊維製品を主力とし来年創業50周年を迎える。

 2000年代初頭、台湾で最も早く、ペットボトル由来の再生ポリエステルの販売を始めたという。それ以来、環境配慮をコンセプトとした繊維製品の開発・販売をメインとし現在では紡績だけでなく織布・編み立て、製品まで一貫して手掛ける。売上高の構成比率は糸売りと生地売りがそれぞれ15%ずつ、製品販売が70%。英国、米国、日本、ギリシャで販売実績がある。ペットボトル再生素材を使った靴下、バッグ、タオル、毛布、販促グッズなどで採用事例が多い。

 再生ポリエステル以外には魚網をリサイクルしたナイロン素材「ナイハイ(NYHI)」、自動車ガラス由来の再生繊維「イー・レコ(e―Reco)」、台湾特産の竹炭を練り込んだ抗菌防臭機能繊維などがある。近年、もみ殻由来の繊維も開発した。

〈強みはストレッチ素材/達紡企業〉

 インナー・スポーツ用途のニット生地メーカー。ナイロン・スパンデックス混の多様な編み地をアピールする。60ゲージの薄地▽靴にも採用例がある厚地▽キックバック力に優れたストレッチラッセル編み地▽多様なメッシュ素材――をそろえる。

 主要な供給先は欧米・中国・東南アジア・台湾で、売上高の6割がインナー用途。スポーツ分野への供給が近年増加傾向にあり、売り上げ全体の2~3割程度を占めるようになった。

 特に丸編みを得意とし少量多品種対応が可能。スパンデックスを染められるのも強み。最小ロットは400~500メートル。自社で紡績、染色加工場も手掛け、紡糸時の機能加工も可能。ナノレベルの鉱物を練りこむことによる涼感加工「ウィンクール」がスポーツ向けで好評という。

〈衣料品OEMの実績豊富/多太〉

 アパレルOEMを主力とする。生産アイテムはレディースボトムスが売り上げの大半を占め、残りはTシャツ・カットソー、スポーツウエア、子供服など。今回展ではスポーツウエア縫製の受注拡大を目指す。

 これまで25年以上、日本との取引を続けているため、工場での生産管理やオペレーターの技術力、生産での日本特有の注意点を熟知しているという。日系の大手商社、生地商社と一般衣料のOEMで、スポーツウエア生産ではアディダス・ジャパンとも実績がある。

 生産拠点は今年中国からカンボジアへの移転を完了、増産体制をとる。将来的にプノンペン近郊の縫製工場の従業員数を現在の630人から800人まで引き上げ、縫製工程は現在の13ラインから18ラインに増やす。月産生産点数は約20万枚を目指す。ミャンマーにも生産工場を模索中。

〈スポーツ地で独自性光る/綿春繊維工業〉

 スポーツ用途で実績豊富なニット地メーカー。ポリエステルを主体とした多彩な生地が強み。今回は環境配慮型の素材を充実させた。顧客ごとのニーズあった少量多品種生産にも対応する。

 先染めポリエステル糸で表現するグラデーション生地は必見。プリント工程がないため、汚染水の排出を大幅に削減する。

 この技法では原着糸の編み方によって生地の色の濃淡を出すため、染色堅ろう度がプリントより高く、納期も短縮できる。グラデーションを生み出す原着糸はこれまで黒、赤の2種類だったが、青を新たに加えた。

 ポリエステル100%で杢調を表現する生地では、染色工程の温度をこれまでより30℃低くすることでエネルギーコストと二酸化炭素排出量を約半分にまで削減した。

 ダブルニット素材では生地の伸張時に、裏地の色柄が透けて見えるようにする新たな表現を考案し今年からアピールする。

〈シャツ地が見どころ/呈紡企業〉

 レディース・メンズアパレル向けのテキスタイルコンバーター。売上高の7割が日本向け。

 これまでストレッチ性と機能を併せ持つパンツ地をメインとしてきたが、今回はメンズシャツ地もアピールする。欧米向けの販売が好調なため。

 素材開発のスピードアップが好調の背景にある。顧客から1カ月以内で10柄を提案するよう要望されても、期間内で色柄に加え組織の変化なども含め15柄は提案するという。

 インビスタの機能ポリエステル「クールマックス」を使った吸汗速乾性、涼感性のあるシャツ地や台湾の素材メーカーの機能糸「タレント・ヤーン」を緯糸に使ったUVカット、消臭、熱放出などの機能付きシャツ地も見どころ。

〈環境配慮型ウレタンフィルム/日勝化工〉

 ポリウレタンフィルム「キリンテックス」をアピールする。表地にラミネートすることで回復性の高いストレッチ性を持たすことができる。

 特長は①4方向へ400%以上伸びるという高いストレッチ性②微細な孔による高い通気性③生産工程・商材ともに自然環境と人体にも優しい――という点だ。

 アウトドアウエア、スポーツ靴、クッション、ソファー、カーシート材などの生地の伸縮レイヤーとして訴求する。従来のスパンデックスとは異なり、伸縮性が劣化しにくいのが強み。

 今回はさまざまな形状のパンチングを入れることでこれまでより生地のデザイン性と通気性を高めたほか、厚みや色の種類を増やした。生地の厚みと幅もニーズごとに調整可能。

〈多彩なレース素材300点/栄業国際貿易〉

 ラッセルレースメーカー。幅広い品ぞろえを強みとする。売り先は米国向けがメインだが今後、日本への販売額を現在の3倍にまで引き上げる方針。張宮本総経理は「売り上げ拡大とともにデザイナーを増やし、新たなデザインを多く投入する」という。

 リバーレース風の商材や刺しゅうとレースを組み合わせたもの、溶剤でレースの織り組織の一部を溶かすことで花柄を浮き立たせたものなど展示するサンプルは約300点。

 現在の生産体制は台湾国内と中国の協力工場で半分ずつの割合。売り先は米国が70%、中国と欧州で25%、日本は5%ほどという。柄のデザイナーは2人で、100柄を毎年投入する。生地用途はレディースアウター向けが6割、ドレスとブラジャー・ショーツインナーメーカーが20%ずつ。

〈独自の合繊生地アピール/尚益染整加工〉

 生地の染色加工と並行し、独自の生地開発にも力を入れる。

 創業の1984年以来、染色・加工の受託事業がメインだったが、2015年に自ら開発した生地の販売を始めた。生地の販売比率は既に全体の半分近い。売り先の8割は米国向け。

 祖業である染色・加工の高い技術力を生かしたナイロンやポリエステル主体の高機能テキスタイルをアピールする。

 120回洗っても80%の撥水(はっすい)機能を保つナイロン生地や日本の大手SPAで採用実績がある洗濯20回、つり干し乾燥で80%の撥水機能を保つポリエステル100%フリース地、さらにフッ素系加工薬剤を使わない撥水機能生地も披露する。清潔衛生分野で「SEKマーク」を取得した生地も見どころ。