「労働4・0」の時代へ A+A2017 (1)

2017年10月30日(月曜日)

着実に成長する労働安全の市場

 10月17~20日、ドイツのデュッセルドルフで労働安全・衛生分野の見本市「国際労働安全機材・技術展(A+A2017)」(メッセ・デュッセルドルフ主催)が開かれた。ワークウエアやフットウエア、手袋など、労働安全に関連する最先端のものが世界から集まる展示会だけに、日本からの注目は年々、高まりつつある。さらにデジタル化によって、ドイツ政府が「労働4・0」で提言する、次世代の労働安全市場の到来を予感させる内容でもあった。(A+A2017取材班=於保佑輔、富永周也、中西俊行)

 A+Aは隔年で開かれ、今回で31回目(ベルリン開催を除く)となった。出展企業は前回の「A+A2015」が57カ国・地域の1887社だったのに対し、今回の「A+A2017」では63カ国・地域の1931社となり、過去最高だった。

 来場者も前回を2千人ほど上回る約6万7千人と過去最高を更新。ドイツ以外の海外からの訪問客は100カ国・地域以上からあり、来場者全体の40%を占め、関心の高さをうかがわせた。

 出展者数は大きく増えたが、「それでもキャンセル待ちの企業が幾つもある」とA+A統括ディレクターのビルギット・ホーン氏は話す。その背景には、労働安全に関連する市場の着実な成長を挙げられる。

 ドイツの市場だけを見ても、ウエアをはじめ、ヘルメット、マスク、フットウエアなど人体保護具(PPE)の市場規模(民間の調査会社による試算)は、2014年の約18億¥文字(C-12032)(約2380億円)から、16年に約20億¥文字(C-12032)(約2640億円)へ成長を遂げた。さらに20年までに30億¥文字(C-12032)(約3960億円)へ拡大すると予測。PPEの市場は世界的にも、好景気のドイツほどでないにしても「ゆっくりと成長していくものとみられる」(ホーン氏)と指摘する。

 市場の拡大とともに、PPEそのもののも進化しつつあり、A+Aはその進化を感じ取る絶好の機会でもある。中でも防護服や高視認性安全服は機能性だけでなく、ファッション性も高くなりつつある。制服を着用することで、企業としての価値を高めようとする“コーポレートウエア”の概念も浸透しつつある。

 労働安全の市場を拡大していく上で、A+Aの出展はまさに開発した新商品の評価を知るとともに、世界から訪れる来場者に対し一気に知名度を高める好機であることを欧米の有力出展企業は日本企業以上に認識している。