開発最前線 (8) 東京西川・日本睡眠科学研究所 (後)

2017年10月31日(火曜日)

外部機関と連携し深掘り

 「エアー」や「アンドフリー」などの高機能マットレスは、日本睡眠科学研究所と商品開発の部門が連携し、素材やデザインなどを変え価格バランスを取りながら商品選択肢を広げる形で今も進化し続けている。枕やオーバーレイ、モバイルマット、クッションなどアイテムも拡大した。

 合繊布団向けにフィット感やかさ高に優れた長繊維の新素材「ファロン」、髪の毛の5分の1という超極細合成繊維を使い、高密度織物を側地にしたアレルゲンを低減する寝具「ニュースーパーセーフティーガードふとん」など、業界初や世界初の開発も少なくない。

 羽毛布団では世界の産地から良質な羽毛を選び出した上、温度調節機能や吸放湿性といった羽毛本来の性能を高める加工、側地、キルティングの改良などに取り組む。

 枕に関しては、枕選びのポイントとなる後頭部の高さ・首の高さ・後頭部から首の長さを測定する「ピロースケール」や「ニューピローフィッター」などの測定機器を開発し、売り場に提供。自然で無理のない寝姿勢曲線(快眠ライン)を導き出し、一人一人に最適な敷寝具と枕の組み合わせもサポートする。

 近年、市場にさまざまな機能性寝具が出回る中、「よく眠れる根拠は何か」との科学的裏付け、被験者による臨床データを追求し、大学など外部研究機関との共同研究を加速している。

 アンドフリーやエアーなどに使用される4層特殊立体構造マットレスでは昨年来、順天堂大学医学部、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構との共同研究結果を相次いで発表。

 自律神経や医学的観点、アンチエイジングの観点、睡眠中の脳波解析、ホルモン分泌など多角的な視点から取り組み、睡眠の質改善、記憶の固定に関連のあるデルタパワーの有意な増加、ストレス減少や糖尿病予防につながることを示唆するデータなどが出た。実験を進める中で、デルタパワーの有意な増加など想定外の新たな気付きもある。

 価値ある寝具の開発から、外部機関との連携によるその科学的検証まで、今後も眠りと寝具の未来を開拓していく。

(この項おわり)