明日へ これが我が社の生きる道 織布編(27)

2017年10月31日(火曜日)

東洋織布 「頼られる」がキーワード

 知多産地の東洋織布は1949年に創立、来年70周年を迎える。布オムツ用の生産からスタートし、芯地そして現在は衣料用から生活資材・産業資材用まで多様な品種に対応するなど時代とともに変化を遂げている。

 けん引する永田高明社長(43)が就任したのはリーマン・ショック直後。大幅な減収を強いられ、水面下に沈む同社を立て直し、その後2017年3月期まで連続増収を果たすまでに変えた。今期も「このままで推移すれば前年実績を上回る」見通しで、20年度(21年3月期)に16年度比30%増収の目標を掲げる。

 好業績を支えるのは生産品種の幅広さ。今期は、毛芯用が低位ながらも安定しているものの衣料用は苦戦、それを生活資材や産業資材向けでカバーする。前期までそれぞれ5割だった比率は衣料用2割、非衣料8割と変化するが、新規顧客からの受注増もあり「土日を含めて24時間フル稼働を続けている」。

 さらにQRの強まりから、自社リスクで見込み生産もするなど攻めの経営を行う。見込み生産ができるのは、顧客との距離感が縮まっているからこそだろう。

 リーマン・ショックから立ち直れたのは、永田社長が先頭に立って進めてきた意識改革に他ならない。社長就任時に「赤字は世の中に認めらえていないということ。黒字化するためには認められる仕事をするのか、赤字を補うための施策を打つのか。どちらを選ぶか」と訴えた。そのとき従業員は前者を選んだ。そこでユニフォームを導入。5S活動、あいさつの徹底など意識改革に取り組んだ。

 こうした施策は「最終製品を購入する消費者を含めて外部はわれわれを見ている。物さえ良ければよいわけではない」との判断がある。3年前にスタートしたインターンシップ実施もその一つ。これらが需要家の安心感を生み、受注増、新規顧客の開拓に結び付く。そして、川中製造の課題とされる人手不足の解消につなげる。

 人手不足への対応は事業継続の問題。「後15年もあるではなく、15年しかない」と考えられるかどうか。長期的な視点で経営を指向したからこそ、同社の今がある。従業員の平均年齢は38・9歳。若手が常に入社する。

 このため、「品質など技術も大事だが、何があっても供給責任を果たす体制も今後は重要」とし、天災等も含めてあらゆる場面を想定して手立てを打つ構え。「顧客とともに販売する意識。これからのキーワードは“頼れる”“頼られる”会社。そこまでいければ大成功」とさらに一歩先を走る。

社名:東洋織布株式会社

本社:愛知県知多郡武豊町大字冨貴字宮前5

代表者:永田 高明

電話番号:0569-72-0173

URL:toyo-tex.com(17年6月にリニューアル。スマホにも対応)

主要設備:合糸機4台、撚糸機12台、部分整経機2台、レピア織機=125cm・29台、140cm・5台(ドビー付4台)、165cm・7台(ドビー付2台)、170cm・2台(ドビー付2台)、210cm・2台(大径巻装置付)、280cm・15台(ドビー台付3台)、150cmエアジェット織機=150cm・2台(ドビー付2台)、検反機4台(丸巻検反機2台)

従業員:28人