「労働4・0」の時代へ A+A2017 (4)

2017年11月02日(木曜日)

浸透するコーポレートウエア

 欧州では、銀行やディーラーなどかつて制服がなかった分野へも制服導入の動きが広がっている。ドイツのグライフは元々老舗のモード服メーカーだったが、17年前にコーポレートウエアを供給開始。現状ではスーツタイプやコック、レストランなどのサービスウエアなどに特化し、市場を拡大しつつある。

 「競合他社と区別するためのコーポレートファッションは重要になりつつある」と話すのはスイス責任者のジュゼッペ・アバーテ氏。「A+A2017」では衣服内を37・5℃に保つという特殊生地(ポリエステル52%・バージンウール46%・ポリウレタン2%)を使ったスーツスタイルのウエアを発表し、来場者から大きな関心を得た。

 日本と同じように欧州でもカジュアル化の流れがあり、若い世代もおしゃれに着こなせるようなスリムフィットのデザインを強化。ホテルなどで採用が多いコートでは、ワークウエアでトレンドのソフトシェル素材を使い斬新だ。今回は展示していなかったが、ニット製のジャケットの試作品を既存の顧客に見せて意見も聞いた。「今度のカタログには掲載する」(アバーテ氏)と言う。

 シャツブランド「ジョバンニ・カプラード」を展開するオランダのECCチュクールは、今回初めてプリント柄のシャツを投入。小紋や幾何学模様など独自性の高い柄を取り入れ、無地のシャツに比べ、デザイン性を一段と高めた。カジュアル化が進む中で、ウール・アクリルの洗濯可能なニットカーディガンなども商品化した。

 ニットに特化したユニフォームメーカーのクリッパーコーポレートはデンマーク企業。A+Aでは、レーヨン使いでエレガントな光沢感のあるワンピースやセーターなどを打ち出した。メンズ向けニット製のジャケットはカジュアル感がありながらも、ユニフォームとしてきっちりとした印象を崩さない。「バスの運転手などへ採用が広がっている」(ベント・ノルスコフ取締役)と、欧州でもニット化の流れが強い。

 これらの企業の特徴としては、やはり在庫を持ち、小ロットからでも供給できる体制をしっかり構築している点だ。生産ではポーランドやマケドニア、リトアニアなど東欧に拠点を持つケースが多い。「在庫こそ強み」(ECCチュクールのハン・ウィスインク氏)という認識で、「品質、価格、創造性をもって、新しいものを作り続ける」(同)ことで、A+Aを通じて積極的に市場開拓を進める。(A+A2017取材班)