「労働4・0」の時代へ A+A2017 (5)

2017年11月06日(月曜日)

素材が進化を支える

 高視認性安全服や防護服は、2年前の「A+A2015」から見れば、大きな違いはないように感じるが、じっくり見るといろいろな変化に気付く。一つがデザイン性だ。デンマークのマスコットは、安全服にキルティング生地を採用し、カジュアルの要素を果敢に取り込む。

 もちろん、機能性の向上も垣間見られる。ドイツのフリスタッド&カンサスグループでは、透湿防水の「ゴアテックス」と帯電防止のメンブレンによる2層構造の素材を使った高視認性安全服を開発。高熱の物体に触れても「生地がポップコーンのように膨らみ、やけどを防ぐ」(オンラインマーケティング部長のマルクス・ゴッドハード氏)。同社は電力会社向けに供給が多く、幅広い安全服をそろえる。

 そういったユニフォームメーカーを支える素材メーカーの出展も「A+A2017」では少なくない。デュポンは、メタ系アラミド繊維「ノーメックス」をアピール。「ノーメックス3DP」は、特許取得の2層構造の生地で、熱に反応して「エアバッグのように膨らみ、人体を保護する」(グローバルマーケティングリーダーのアルフォンス・N・ヘルド氏)仕組み。消防服などへ採用を広げる。

 「消防士の中には、有害な煙を吸って、20~30年後に健康被害をもたらすケースも多い」(同)ことから、マスクの素材として「ノーメックス・ナノフレックス」も紹介。通気性がありながらも化学物質の粒子の通過を抑えることで、健康被害の発生を低減する。

 実際、ノーメックスを年間200万㍍使うというロシアのエネゴコントラクトは安全服や防護服など、織布から縫製までロシアの自社工場で生産。「発電所などでノーメックスを使った防護服の需要は増えている」(国際ビジネス部門の責任者マキシム・ゴルバチョフ氏)と、A+Aを通じて欧州やアジアへ市場開拓を進める。

 インビスタの高強力ナイロン「コーデュラ」は、ユニフォームメーカーの商品で目にする機会が増えてきた。実際、欧州のワークウエア中心にトップブランドで採用され拡大しており、「重要なマーケット」(コーデュラカテゴリーディレクターのプラネイ・ハーシュ氏)と位置付ける。

 A+A2017では、綿との混紡糸を使用した「コーデュラ NYCO」や「コーデュラ デニム」、そのほか補強材用途なども訴求。欧州のトレンドに合わせ、軽量やストレッチ性に優れた生地、高視認素材などをそろえた。

 レンチングは、精製セルロース繊維「テンセル」を今回初めて、フットウエアの素材として紹介。スポーツブランドへの採用実績もあり、「持続可能な植物由来繊維として、環境への意識が高い企業への採用を広げる」(ベアナード・フィリップ・アロウオノウ氏)。

(A+A2017取材班)