「労働4・0」の時代へ A+A2017 (6)

2017年11月07日(火曜日)

印象変わるフットウエア

 本紙「繊維ニュース」が「A+A」を初めて取材した2013年当時、デザイン性に富むユニフォームに比べフットウエアは黒く重いものが多く、日本のメーカーのものの方がデザイン性や機能性に優れていると感じた。今回の「A+A2017」で、最も印象が変わったのが、そのフットウエアだ。日本企業の関係者からも「デザインに凝ったものが圧倒的に増えた」という声が聞かれた。

 その背景にはウエアのスポーツ&アクティブ傾向で、セーフティースニーカーもふさわしいデザイン性や軽量化が求められるようになっていることがあるようだ。

 さらに有力ワークウエアメーカーがフットウエアを強化する姿勢にあり、専業メーカーと市場での競合が激しくなっていることもある。ノルウェーのヘリーハンセンは、人間工学的な視点から新しいクッション素材「Cゾーンプロ」を開発し、従来のEVA樹脂に比べエネルギーを次のステップに伝えやすい工夫を取り込んだ。

 これまで欧州規格が途上国の低価格商品の攻勢の障壁となっていたが、最近では途上国のメーカーも規格に合わせた商品の打ち出しを増やしており、専業メーカーは機能性だけでなくデザイン性も高める必要性が出てきた。

 スポーツブランドで知られる「プーマ」ですら以前は黒く重いイメージのワークシューズが多かったが、今回のA+A2017ではニット使いなど打ち出し、カラフルでデザイン性の高いものを増やした。プーマを展開するISMでは、自社ブランド「アルバトロス」も強化分野。ウエアと連携した販売で市場を広げる。

 同じドイツのバークは、「ゴー&リラックス」という独自のシステムを実装した。歩行や労働に快適なフィットと、足指のつま先を締め付けない設計が特徴。新型モデルは滑らかな流線形と鮮やかなカラー、超軽量で、ワーク用シューズには見えない。

 イタリアのディアドラは、ソールやアッパーなど3カ所で特許を取得する、ジオックス社の“呼吸するシステム”を使った新しい安全靴を披露。このシステムを採用した安全靴の販売を今後は欧州以外でも加速する。

 同じイタリアのスタイツ・セキュラは、片手でフィット感を調整できるBoaクロージャーシステム搭載や、女性向け安全靴の開発を強めている。

 ドイツではウエアと違い、法律で毎年雇用者が従業員に対し、作業靴、安全靴を必ず供給する義務がある。それだけに廉売競争から守られていたが、今後はウエア以上に価格、開発競争が激しくなる可能性がある。

(A+A2017取材班)