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シリーズ事業戦略/ダイワボウレーヨン/生産性20%アップへ/2020年度に向け20億円投資/常務 生産・開発・管理部門担当 有持 正博 氏

2017年11月07日(Tue曜日) 午後3時52分

 ダイワボウレーヨンの益田工場(島根県益田市)は、レーヨン短繊維を年間2万トン強生産する。規模は決して大きくない。レーヨン短繊維の世界生産に占めるシェアはわずか0.5%だ。しかし、益田工場クラスの多品種小ロット生産を行っている工場は、「世界的にみても3社しかないだろう」と、有持正博常務は語る。この希少な工場が今、生産性を上げることに取り組んでいる。2020年度に向けて20億円を投じ、生産性を20%上げる計画だ。

  ――上半期の益田工場を振り返っていただくと。

 計画通り工場の整備を進めています。その間も、生産性を上げることで生産量を落とさないようにする計画ですが、上半期はやや未達で、キャパシティーがタイト気味です。

  ――2020年度に向けて20億円を投資し、生産性を20%上げる計画ですね。

 来年度から本格実施します。今年度も投資を、従来よりも少し増やしています。

  ――来年度からの計画は。

 生産を増やす上でネックになっている部分があります。そこをどうやって解消していくかですね。それが今後の最大の課題です。

  ――貴社の設備の特徴を。

 当社は、例えば機能性を備えた商品とか、短カット品とかさまざまなレーヨンの小ロット生産がメインです。それに対応するための付帯設備を備えています。

 多品種小ロット化は今後も進むでしょう。その中で生産性を上げようとしているわけです。そこに難しさがあります。

  ――生産性を上げるためにノズルも増やすのですか。

 それもアイデアの一つです。いろいろなアイデアがあり、現在検討中です。12月から1月までに具体的プランを決めるつもりです。

  ――単に生産性を上げるだけでなく、これまでにない商品を作れる設備にする計画もあるのですか。

 レギュラー品ではなく、日本でしかできないオリジナルなわたを作りたいですね。今当社が機能わたと呼んでいる商品もやがてはレギュラー品扱いされるようになるかもしれません。常に新しいことに挑戦しないといけません。

 当然ながら、これまで作れなかったものも作れるようにするつもりです。ただ、そうすると生産性が悪くなりがちです。例えば、1・7デシテックスが中心だったのを、1・1デシテックス中心にすれば、生産性は落ちます。落ちないようにするにはどんな設備がいいかということも考える必要があります。

  ――人手不足が製造業全体の課題になっています。

 そのためにも生産性を上げる必要があります。機械を増やせば必要な人手も増えますが、同じ機械の生産性を高めれば人手不足対策にもなります。

 工場の見える化も進めるつもりです。勘と経験に頼っていた部分を、客観的に管理できるようにする必要があります。人が目で管理していた部分を、カメラなどを活用して一括して行うことも可能かもしれません。そうしたことを進めていかないと、これからの工場管理は難しくなると思います。ダイワボウ・グループのディーアイエスソリューションの協力も得ながら、見える化を進めたいと考えています。

  ――営業と連動した開発体制を強化していますね。

 3年ほど前から、工場の開発担当者が3人、セールスエンジニアとして営業員と一緒に活動しています。

 今年からは、工場の開発担当者1人が月の半分は大阪本社に常駐する体制になっています。営業部門のアイデアや要望を収集して次の開発に生かしたり、開発部門の方向性を営業に伝えたりする橋渡しの役割を担っています。

  ――森林管理が行われていること、その森林からの木材・木材製品であることを認証する国際的な制度「FSC」と、「エコテックス」の認証を取得しました。

 先ほど申し上げたセールスエンジニアの3人が中心になって取得しました。

  ――今後の課題は。

 やはり人材育成ですね。改善チームというのを作って4年目になります。トヨタ出身のコンサルタントに指導してもらっています。人材育成の一環です。

 工場では常に原価削減努力が必要です。改善チームを通じたボトムアップでもそれを進めています。日勤スタッフ30人から50人を5チームほどに分けて、いろいろなアイデアを出してもらっています。コンサルタントの先生には、考え方を指導してもらっています。指導を自己変革につなげてほしいと思っています。