「労働4・0」の時代へ A+A2017 (7)

2017年11月08日(水曜日)

デジタル化が未来変える

 ドイツの連邦労働社会省は昨年、白書「労働4・0」を発表した。その中で、「第4次産業革命(インダストリー4・0)」を見据えデジタル化時代の労働や社会政策の在り方を模索していく必要性を説いている。「A+A2017」でも、デジタル化によって新しい労働安全の環境が実現できる可能性を感じる展示が幾つもあった。

 前回の「A+A2015」でメッセ・デュッセルドルフは4社ほど出展企業を視察する日本人向けにハイライトツアーを実施し、好評だった。その経験を元に今回初めて、個人用保護具(PPE)の新しい動きを捉えやすくするため特色のある展示をする企業中心に、ハイライトツアー(英語解説のみ)を来場者向けに実施した。

 ツアーは「まさに“未来の労働”を垣間見ることができる」(メッセ・デュッセルドルフA+A統括ディレクターのビルギット・ホーン氏)もので、「デジタル化が進むことで、職場環境が大きく変わる可能性がある」(同)ことを実感できる内容となった。

 そのツアーで候補に組み込まれていた米国のハネウェルは、スマートフォンを使ってガス検知する「センサーポイントXRL」や、作業者の高所からの落下防止・安全性を高めた「ミラーファルコンエッジ」、防曇レンズコーティング技術による「ハイドロシールド」など最先端の技術を紹介した。

 A+Aでは展示していなかったが、「スマートウエアの開発にも力を入れている」と広報担当者。衣服内にチップを入れPPEに故障がないかどうかを常に監視するようなシステムなど、「一部の企業で実用化が進んでいる」ものの採用が広がるのは「まだまだこれからの段階」。ただ、「市場としては大きく成長していくものと思っている」と、新たな市場創出に期待する。

 ノルウェーのヘリーハンセンは、スウェーデンの通信機器メーカーのエリクソンと共同開発した新しい高視認性安全服「ライトフレックス」を発表した。反射ではなくLEDで自ら発光するのが特徴で、前もってプログラムすることで車を降りれば光ったり、何㍍以内に近づけば光ったりするなどの操作が可能。ジャケット、ベストの2アイテムを投入する。

 北欧では雪が多く、反射材だけでは見えにくいときがある。LEDで光らせることで、より視認性を高められる。ノルウェーの自動車連盟でのテスト結果では「良い評価をもらっている」と取締役国際担当のパトリック・ファルケンビィー氏。展示ブースに設けた実演のコーナーは常に人だかりで、関心の高さをうかがわせた。

(A+A2017取材班)