「労働4・0」の時代へ A+A2017 (9)

2017年11月10日(金曜日)

高機能性で存在感高める

 作業時に身に着けるものの中で、手袋はウエアと並ぶ必須アイテム。世界の有力メーカーがほぼそろうA+Aだけに、おびただしい量の手袋が出展される。耐切創や、挟まり事故防止のほか、定番のニトリルゴム製手袋では撥水(はっすい)・耐油性に加え、通気性や細かく指を動かせる機能性をうたった製品が多い日本企業の闘いぶりを見てみよう。

 東和コーポレーション(福岡県久留米市)は「エアレックスドライ」と「アクティブグリップ」の2型を大型ブースの前面に打ち出した。アクティブグリップは部品組み立て用、マイクロフィニッシュ加工(特許滑り止め加工)で優れたグリップ性と指先が動かしやすい作業性を兼備。エアレックスドライは吸汗・速乾性の特殊素材で快適に作業できる。

 「欧州市場はCE(基準適合)マーク規格のガードがあり、品質や機能性を重視する。日本企業の信頼性は自動車や家電並みに高い」。A+Aには10回目の出展。「当初は新規開拓、今は既存の取引先との商談の場」へと位置付けが変わった。

 ショーワグローブ(兵庫県姫路市)は家庭用から産業用まで幅広いラインアップのうち、工業用の機能性手袋をズラリとそろえた。欧米に営業拠点、米国、マレーシア、ベトナム、グアテマラ、ミャンマーに生産拠点を持つグローバル企業。大型ブースにバイヤーが詰め掛け、メード・イン・ジャパンの優位性を感じさせる。

 アトム(広島県竹原市)は3回目の出展。継続出展で認知度向上と販売拡大に挑む。マイナス30℃でも硬くならないニトリル手袋、特許品の防振手袋などを打ち出した。一方で低価格品の代名詞だった中国メーカーも品質を上げてきており、「勝ち残るにはたゆまぬ開発とマーケティング、特許なども必要」とみる。

 副資材の分野でも日系企業は存在感を発揮した。YKKの欧州法人YKKヨーロッパは、難燃と防水を組み合わせた新商品「アクアガードビスロンFR」はじめ産業用、その他の特殊商品など四つの切り口で打ち出した。

 アウトドアなど、同社の商品を採用するブランドと協働したブースデザインも特徴的。YKK商品を採用するメリットやこだわりを最終消費者まで訴求し、互いにブランド価値向上を狙う。一方で「不十分な品質の商品を提供すれば取引先の製品の品質にも傷がついてしまう」というメーカーとしての自負も示す。

 技術や価格による競争は今日も続く。しかし長期的に成功を維持する上で、YKKの「品質、社会的責任、環境保全、法令順守を最重要視する」という姿勢も、欠かせない要素と言えるだろう。

(A+A2017取材班)