KanFA 未来を紡ぐ(1)

2017年11月10日(金曜日)

大西衣料 社長 大西寛氏 B2Bで小売店発展に貢献

 本紙「繊維ニュース」では昨年から今年にかけて、関西ファッション連合(KanFA)の会員企業を紹介してきた。今回からは第2弾として、各会員企業トップの「人」に焦点を当てたインタビューを掲載していく。

  ――大西衣料に入社した経緯を聞かして下さい。

 若い頃、今の社長業に大きな影響を与えた経験をしました。実は18歳から30歳までアメリカのニューヨークに滞在していました。渡米の目的は現地の大学への進学だったのですが、子供の頃から好きだった音楽の世界にも携わることになり、結果的に長期滞在することになりました。

 日本人の男性パートナーとニューヨークのブルックリンで音楽スタジオを共同経営していました。1983年当時、世間ではラップ、ヒップホップの音楽が流行し始めていて、スタジオでは主に黒人相手に、デモテープ作りに費やす日々が続きました。

  ――ニューヨークのスタジオを経て帰国したのが30歳の時ですね。

 事情があり、「30歳の決断」でスタジオを去って帰国し、録音技師の技術を生かした仕事に東京でしばらく就きました。その後、現在の衣料品などへ関係のあるかばんなどを扱う会社を立ち上げ、そこで繊維や物販などの知識を多く得ました。

 同社を経て、現大西衣料に入社し、いきなり副社長、半年後の06年に社長に就くという異例さでしたが、前社長である父親の希望もあり、運命と思い、遠回りでしたが、3代目を継ぎました。

  ――経営に対する考え方、今後も心掛けたいことは。

 B2Bの立場で、全ては小売店の発展のために社会貢献すると決めています。B2Bの現在の情勢、日本だけではなく、アジア、さらには世界という情勢を踏まえたB2Bの新しい形を作り上げて行かなくてはならないと考えています。

 “ワン(1)大西”をスローガンに、それまで分社していたグループ会社を一つの塊にし、「新生大西衣料」として復活させました。セルフ大西、ファミリー・ジョイ2社を統合し、レディース小売のジャムシティは撤退。

 今治タオルのオリムでは、1万2千円のハイエンドは残しつつ、1900円のバスタオルを新たに開発。さらに伸びるであろう「電子商取引(EC)」はグループの店研創意で事業を強めます。昨年から今年にかけては当社の「改革の年」でもありました。その象徴として、全社員を本社ビル2フロアにまとめ、フリーアドレスを導入しました。塊になることで疎遠だったグループ会社が協力することで、ビジネスチャンスが広がるものと考えています。

  ――新しい取り組みについてはいかがでしょうか。

 「点と点」をつなぐと申しましょうか、日本や世界の「匠」の作品のようなものを小売店とつなぐ仕組み。この新しいコンセプトの事業にチャレンジしたい。

 ニューヨークでのスタジオ経験が今、とても生かされていると思っています。

(毎週金曜日に掲載)

繊維業界への思い入れ

 「問屋業で育った社員が小売業のような別な事業にいきなり携わっても、問屋業で培ったDNAはそう簡単には変わらない。ただ、大きく変わる流通、、繊維業界の中では、新しいことに積極的に挑戦することは大事」と大西寛氏は強調する。自身、「座右の銘は“常に積極、いつも積極”」と言う。