中国の通販大手/「双十一」で海外市場開拓/地場ブランドを後押し

2017年11月10日(金曜日) 午後1時51分

 毎年11月11日に行われる中国インターネット通販の一大販促イベント「双十一」で、今年は通販各社が海外市場の開拓をテーマに掲げている。双十一の認知度が海外でも高まる中、同イベントを足掛かりに国内ブランドの商品を海外へ売り出す計画。顧客企業の国際化を後押しすることで、通販プラットフォームとしての影響力と市場を拡大する狙いがあるとみられる。

 ネット通販最大手、阿里巴巴集団(アリババ)は今年、海外での中国商品の販売促進を双十一のテーマの一つに掲げた。同イベントを活用し、国内企業100ブランドの海外展開を支援する方針だ。

 シングルを表す「1」が並ぶ11月11日は中国で「独身の日」と呼ばれ、アリババは2009年から毎年この日に同社の通販サイト「天猫」でネットショッピングの販促イベントを行っている。昨年の同イベントによる同社の取引額は過去最高の約1207億元を記録し、他社プラットフォームも含めた業界全体の取引額は2千億元を超えた。

 アリババの張勇最高経営責任者(CEO)は先月、同社が仕掛けた双十一は「既に天猫だけの祭典ではなくなった」と強調。中国の全てのネットユーザー、さらには世界中のユーザーが共有できる「祝日」であり、「外国人は春節(中国の旧正月)を祝わないかもしれないが、双十一は必ず祝うようになるだろう」と述べた。

 同社の発表によると、今年の双十一には14万を超える世界のブランドが参加し、1500万点もの商品が取引されるという。張CEOは「実力のある中国ブランドが世界市場で影響力を持てるよう手助けすることが今年の双十一の重要な仕事」と説明。「商業、消費に国境はない。中国市場で生まれた『双十一』という現象を世界に広めていきたい。双十一が9年目を迎えた今年はそのまたとない機会だ」と述べた。

 具体的な取り組みの一環として同社は今月1日、マレーシアとシンガポールで双十一のキックオフイベントを開催した。中国本土以外ではこれまでに台湾と香港で双十一に合わせたキャンペーンを実施してきたが、今年は東南アジアの中でも中国市場への関心が高い両国で、同様の販促を本格的に実施する。

〈京東は200社支援〉

 アリババと競合するネット通販大手の京東(JD・com)も今年、双十一での中国商品の海外展開を強化する構えだ。家電の「美的(ミデア)」「創維(スカイワース)」、スマートフォンの「小米(シャオミ)」など国内の有名200ブランドと共同で海外市場の開拓を図る。

 「南方都市報」などによると、京東の海外事業を担当する閻小兵副総裁は、双十一の当日には中国本土以外の消費者に対して送料を無料にする計画を表明。「世界の消費者に高品質な中国商品を使ってもらいたい」と述べた。

 国内企業にとっては、通販プラットフォームの双十一戦略に乗ることで、低リスクで海外市場へアクセスできる魅力がある。

 「北京商報」によると、家具メーカーである深セン市左右家私の海外業務責任者は「単独での海外進出は販売から配送、設置のアフターサービスまでさまざまなトラブルに遭遇するが、通販プラットフォームはそうした面で企業に足りない部分を補ってくれる」と指摘。傘メーカーの杭州天堂傘業集団も「通販プラットフォームを通じて得られる現地の消費データが製品開発に役立つ」(鄭国華最高執行責任者=COO)と説明している。

〈物流も臨戦態勢〉

 海外市場の強化に備え、双十一に向けた物流の対応も進んでいる。

 アリババ系の物流プラットフォーム運営会社、菜鳥網絡科技は先頃、アラブ首長国連邦ドバイを本拠とするエミレーツ航空など複数の航空会社とチャーター便契約を結んだ。双十一の販促期間中、十数機のチャーター便を飛ばして中国商品を欧州へ向けて発送する。

 アリババの張CEOは「今年の双十一の輸出額は確実に過去最高を更新する」と予測。通関や物流がスムーズに進むよう、物流企業や各地の保税区、税関などに協力を求めていることを明らかにした。

〔NNA〕