メーカー別 繊維ニュース

特集 タオル&水回り(2)

2017年11月14日(Tue曜日) 午後2時10分

〈浅野撚糸/専務 浅野 宏介 氏/エアーかおるコスメへ〉

 ――2017年10月期の業績はいかがでしたか。

 売上高は前期から1億3千万円増え、9億5千万円となる見通しです。内訳としては、エアーかおる事業が5億3千万円、撚糸(売糸・賃加工)事業が4億2千万円。国内だけでなく、中国への輸出も増えました。中国向けは前期3300万円だったのが、この10月期は5千万円に到達できました。

 ――今期のエアーかおるの展開を教えてください。

 エアーかおるは国内では化粧品の展示会などに積極的に出展してきました。

 今後はタオル市場だけでなく、コスメ市場で受注を増やすことを目標にしています。

 一般消費者に対する知名度はまだまだなので、地道な営業を重ね、口コミなどで商品の認知度が上がっていければと考えています。

 海外への展開としては、中国・上海の最大手のテレビショッピングでの販売が決まり、今後も中国への輸出は伸びていくと思います。ネットと実店舗でも販売していきます。

 ――今期の目標や会社としての取り組みはありますか。

 今期はエアーかおる、撚糸事業部で売上高10億円を目指します。かつては売上高で7億円あった撚糸についても受注件数を増やしていきたい。

 11月から生産効率を上げ無駄を省こうと、現場のカイゼンも図っています。また、商標登録をした「キカネツ」についても、将来的にはインナーを含めたウエアで展開できればと考えています。

〈犬飼タオル/社長 犬飼 一善 氏/高い商品回転率へ〉

 ――2017年8月期の業績は。

 厳しかったですね。上半期が前年実績を確保するのがやっという状況でしたし、下半期もよくありませんでした。主力のギフト商品はかつて仏事用途がかなり占めていましたが家族葬が増え、香典返しとしての需要がかなり減っているのが影響しています。デーリーユース向けも不要不急商品だけに消費マインドが冷え込むと期待ができません。異業種の参入による競争も激化しています。

 ――厳しい中、新事業への取り組みは。

 全く考えていません。社名にあるようにあくまでタオルの製造卸を本業とします。販売ルートもギフト、雑貨の2次卸をメインとしていきます。幸いにもこれまで「東京ファッショングッズトレードショー」や「雑貨EXPO」への出展によって顧客の声を拝聴でき、企画提案力の強化につながっています。さらにキャラクタ―ブランドでは既存の「リラックマ」に加えて、今期から「すみっコぐらし」、「ベティブープ」のサブライセンシーも取得。今後さらにキャラクターの展開を拡充していきます。トナー転写タオルの受注も開始し、カスタマイズ対応も図っています。

 ――今後の方針として取り組まれることは。

 収益性を高めるために商品回転率の改善に取り組みます。既に自社ブランドのスクラップ&ビルドを前期から行っていますがさらに積極的に推進します。商品力をさらに高め、売れるモノ作りに徹底していきます。

〈オーミケンシ/執行役員 製品販売部長 岩切 直彦 氏/プロパー商品絞り込み〉

  ――2017年度上半期(4~9月)の業績はいかがでしたか。

 前年同期比数%増収となりました。雑貨、タオルの別注が伸びました。

 ギフトは慶事向けが減少し、仏事向けは横ばいです。仏事は10年単位で見ると、家族葬の増加や簡素化の流れの中で縮小していますが、ここ数年売り上げは横ばい傾向にあります。

 下半期は減収見込みです。在庫を構えるプロパー商品を絞り、販売先を限定したオリジナル商品への注力を進めています。プロパー商品はハンドリングが年々難しくなっており、在庫リスクが増しています。そのため、プロパー商品を採用してもらっていたカタログの切り替え時期が秋口から始まっていますが、更新などをせずにソフトランディングに減らしています。今後は全量引き取りを基本にしたオリジナル商品に力を入れます。

 ただ仏事向けは元々オリジナル商品が大半のため、継続して取り組む形になります。

  ――機能加工が強みの一つです。

 当社の加工技術を生かした機能テキスタイルシリーズ「プリマ・ヴィスタ」で、綿の水分保持力やふくらみ感が高まる「ベビータッチ」や、柔軟剤の香りを長期間持続させる「マイフレグランス」など独自の後加工をタオルでも展開しています。

 28、29日に大阪、12月5、6日に東京で開く展示会でもタオル製品やオリジナル後加工を訴求する予定です。

〈小杉善/社長 小杉 啓生 氏/商品開発に力〉

  ――2期連続増収増益ですが、2018年2月期の業績はここまでいかがですか。

 3~8月は増収でした。量販店向けが堅調で特に関東方面が伸長しました。量販店の需要が旺盛というよりは、前年に当社のシェアが拡大した効果が今上半期にプラスに働きました。2次卸向けは縮小が続いています。

 9、10月は上半期までの伸びが見られず、売り上げが鈍っています。下半期は不透明感があり、特に円安や、海外生産の新規契約分の値上げで利益面を懸念しています。

 一方で今期もこれといったヒット商品がなく、手応えのない状態が続いています。販売先に飽きが来ないように細かな点を含めて商品を見直し、これまで異なった切り口で開発を進めます。この部分には人と時間をかけて取り組みます。

  ――16年4月にデザイナー1人を雇いました。

 ファブリックデザインを元々手掛けていた経験者で、企画、営業担当者が要望をダイレクトに伝えられ、迅速にきめ細かく対応できるなど効果が表れています。

  ――アマゾンでネット直販にも取り組んでいます。

 ネットではデーリーユースのタオルが売れており、当社の商品カテゴリーと合致します。徐々に売り上げが伸びていますが、現在のところ広げる考えはありません。ただ来春採用の新入社員を新しい顧客に配置していくなど、新たな領域に積極的な人的投入を考えています。

〈サンコー/社長 角谷 太基 氏/モノ作りとファン作り〉

  ――ユーザーのアンケートはがきをモノ作りに生かしています。

 ユーザーから届くボイスカードを始めて20年以上がたちます。その声からヒントを得て開発・改良してきました。

 一方でカードを送っていただける方は60、70代が多く、20、30代が少ない。若い人のモノに対する価値観は、「シェア」や「有形から無形」がキーワードに挙がるなど、上の世代と異なります。その若い世代が歳を重ねていく中で、どう変わるか見えていませんが、確実に求められるものが変わってくるでしょう。その点にも対応したモノ作り、情報発信をする必要があります。

 今期は前期に引き続き、年間60アイテムの開発を目標に取り組んでいます。用途は家庭用品に加えてスポーツ、ベビー、ペット、シニア、業務用の6分野へ広げており、各分野のアイテムをバランスよく開発していきます。

  ――スポーツやペット関連イベントへの出展、協賛も積極的に行っています。

 一般の方が来場するペットイベントへの参加や、学童軟式野球全国大会「ポップアスリートカップ」に協賛して商品サンプルを配るなど、草の根の活動ですが、情報発信して多くの方に使ってもらえるファン層の拡大に努めています。

  ――販路の変化はありますか。

 ネット通販大手向けが全売り上げの約10%まで占めるまで拡大しており、ネット関連が伸びています。

〈新徳丸/社長 中島 広 氏/機業×ユーザー×デザイナー〉

  ――2017年6月期の業績はいかがでしたか。

 前期比40%強の増収でした。雑貨小売店中心に新規取引先が順調に拡大できた事と、当社ではカバーしきれない売り場を確保するため優良な2次卸との取引拡充が成果につながりました。

 今期も順調な滑り出しです。例年ならお盆明けに夏場のプロパー品が減り、来シーズンの仕込みに入るのですが、今年は8月中旬以降もプロパー品が好調に推移し追加生産しても足らない状況でした。ガーゼタオルでは秋シーズンに合わせた新色も9月から投入して販売が順調です。

 来シーズン向けは、今期の状況を踏まえ多種多様な新規顧客に対応するために従来の2倍の柄数を投入します。

  ――中国のパートナーと連携したモノ作りも強みです。

 中国の環境規制により染色加工場がひっ迫しサンプルが計画通りに上がってこないなど影響が出ています。副資材を含む生産コストも前年に比べて1割強アップし国内の物流コストも増加しており、上代を含めて売価に転嫁せざるを得ません。販売先への丁寧な説明が必要です。

  ――10月に川西阪急で期間限定ショップを開きました。

 当社のデザイナーと、泉州の機業が組んで作った「泉州タオル×キャンバス・デ・フレグランス」の新作タオルを先行販売して好評でした。機業、自社デザイナー、エンドユーザーが直接つながることで柔らかな頭で企画できる効果を期待しています。

〈スタイレム/ガーメント事業部 LS Grp.部長 平井 賢二 氏/今治謹製の在り方追求〉

  ――ギフト市場をどう見ていますか。

 ギフト業界全体はあまり良くないように感じます。今治タオル産地の生産がタイトで納期が読みづらかった時期に、各社が過剰発注したものが流通在庫としてたまっている影響もあります。

 これまで今治製タオルであれば売れてきましたが、今治製の中でも選別される傾向が出ています。

  ――2018年1月期の業績はここまでいかがですか。

 2~9月は前年同期比増収でした。今治謹製シリーズが堅調だったほか、バラタオルの販売や、ライセンスブランドの「アーバンリサーチ」がプラス要因になりました。バラタオルは雑貨店ルートを中心に伸びており、泉州製も増えています。

  ――今治謹製ブランドの累計販売数が今年900万個を突破しました。

 いち早く今治タオルのブランド化を図った先発優位性が大きい面があります。来春には1千万個に達する見込みで、節目に向け仕掛けでさらなる拡販へつなげます。今治謹製は来年発売15年を迎えます。さらなるブランディングに取り組み、どうあり続けていくのかしっかり考えていきます。

  ――今治謹製は、高級感のある木箱入りが特徴です。

 今治謹製は今年、木箱入りタオルギフトとして初めてとなる17年度「グッドデザイン賞」を受賞しました。

 一方、今治謹製と混同する木箱入りの模倣品に対しては強い態度で対策を講じます。

〈ナストーコーポレーション/社長 尾池 行郎 氏/流通の変化に対応〉

  ――2018年4月期の業績はここまでいかがですか。

 売り上げ、利益とも前年同期比横ばいです。小売りの変化が大きく、プラス、マイナス両面の影響が出ています。GMSでは、取引先がPBからNBを増やす方針に転換したことで売り上げが伸びたケースもありますが、ホームセンターでは、販売先が他グループ入りしたことによる仕入れの統一化で取引がなくなったケースもあります。

 さらにネットを含めて流通・購買チャネルが多様化する中で、システムにどう対応していくかも課題です。

  ――中国・山東省青島市に独資で設けた青島那須藤家庭用品があります。

 同じ青島市内で年内をめどに移転中で建物を広げます。02年に設けた青島那須藤家庭用品は輸出拠点であるとともに、中国内販の卸拠点となっています。

 この卸売り機能を移転に合わせてさらに充実します。検針方法や建物の非常口の設置など、国際水準に対応した製造管理を行います。

  ――香港や東南アジアへも販売を広げていますが、社内では「文化ミックス」に取り組んでいます。

 日本の大学への留学生や、日本に帰化した外国人、難民などを採用しています。コンゴからの難民である若い女性も事務職として採用していますが、社員が外国人と一緒に仕事をすることで、価値観が広がり、自分を成長させることができると考えています。

〈日繊商工/社長 俣野 太一 氏/卸業の基本に立ち返る〉

  ――2017年12月期の業績はここまでいかがですか。

 微減収です。卸先の小売店は、多店舗展開している雑貨店や量販店、百貨店を含めて苦しんでいるところが多く、明るい兆しが見えにくい状況です。

 用途別ではギフトが今年苦戦しています。ハレとケの、ハレの需要はもちろん、ケの方でもパーソナル需要などを広げることが大事です。

 来期に向けては、祝い事に最適なピンクと白の優しいデザインの「百結(ももゆ)」、無地に太陽や月をワンポイント刺しゅうしたカジュアルタイプの「まいにちのタオル」、光沢感のある白地にグレーのグラデーションのヘムをあしらい上品なデザインに仕上げた「糸品の煌き(いとしなのきらめき)」の新3ブランドなどを打ち出し、一定の手応えを感じています。

 来期向けは「もちもちパンダ」「スマイリーフェイス」「ピングー」のキャラクターも増やしており、期待できます。

  ――物流コストがアップしています。

 ミニマムオーダーの条件を顧客としっかり取り決めしないと成り立っていきません。何より小売店と協力して売り場を活性化していくことが大切です。

 市場動向を読み取り、消費者が求めるより先にニーズを満たすタオルを開発することで、自ら市場を開拓していく“需要創造”にこれからも取り組んでいきます。そして問屋の機能、役割は何かと基本に立ち返り、諸問題に臨んでいきます。

〈本多タオル/社長 本多 正治 氏/4期連続の増収増益〉

 ――2017年8月期の業績はいかがでしたか。

 社員の頑張りで、新しい得意先の開拓や既存取引先の拡大などがあり、増収増益を果たしました。これで4期連続の増収増益となります。売上高構成としてはデーリーユースが50%、ギフトが30%、法人や名入れが20%です。

 ――今期の取り組みはありますか。

 物流機能の強化を図るため、3千万円を投じて、港区にある倉庫を増改築しています。12月に完成予定です。これまでは、倉庫から本社に運んで顧客に届けていましたが、倉庫から直接届けることで、合理化を図ります。倉庫に中二階を設け、保管できる量は40%ほど増える見通しです。また、倉庫の事務所も改装し、新たに人員を2人配置する予定です。

 さらに、今後10年内は本社を新しく立て直すことも考えています。社員がモチベーションを保てるような会社にしたいと思っています。

 ――長期的な課題はありますか。

 人材が育つ社風や土台をしっかり作りたいと考えています。新卒の社員は先輩社員の働きを見本にして育ち、そして、それを次代の後輩たちに受け継いでいきます。その流れを作るためには、トップにいる自分が一番しっかりしないといけないと考えています。

 そういう意味では最近、残業手当や休日出勤などの就業規則を全面改訂しました。社員一人一人に説明も行い、働きやすい環境を整えています。

〈プレーリードッグ/社長 松岡 良幸 氏/“面白い”を追求〉

  ――2017年度上半期(4~9月)の業績はいかがでしたか。

 前年同期比4%減収でした。バッグや布巾などさまざまなアイテムを展開するライフスタイル、タオルを軸にしたギフト分野ともぱっとしませんでした。10月は前年を約10%上回っています。

 足元が悪いからといって自信を失ったり、焦ったりしないことが大切です。目先の仕事ではなく、先を見て半年から1年先に希望を持てるように取り組んでいます。

 売れなければ慎重になり、面白い商品も出にくくなって悪循環に陥りがちです。しかし、売れる商品ばかりを追い掛けていても面白くありません。社員の「これがやりたい」という強い思いが何より大切です。失敗を恐れないことです。

 ヒット商品の一つである「ケーキタオル」は当初、売れると思って取り組んでいませんでした。企画者の面白いという思いが形になり、ヒットへつながりました。

 また営業サイドからさまざまな注文がある、見本がスムーズに上がってこないなど課題・問題もあるでしょうが、“面白い”ことを追求する姿勢を持ち続けることが必要です。

  ――ライフスタイルとギフトの両分野の相乗効果を図っています。

 返礼ギフトは安定的、効率的に商品が売れて外せない市場ですが、縮小傾向にあります。ライフスタイルにギフトを取り込み、ギフトにもライフスタイルの要素を取り込んで拡販へつなげるとともに、新市場開拓も図ります。

〈八木春/会長兼社長 八木 欣之介 氏/社員一丸となれる体制作り〉

  ――7月1日付で会長兼社長に就任しました。

 私は創業者の八木春一の次男で、八木正浩前社長の父です。私と、荻田真一郎副社長が卸売り事業、八木取締役が国内の電解水関連事業や海外のランドリー事業を主に担う形にして各事業の強化を図ります。

 私は自治省(現・総務省)に約25年間勤めた後、東京理科大、慶應大、帝京大の教授として行政法や地方自治法を教えてきました。タオルの製造卸業は全く畑違いですが、今回の就任に当たって、春一氏が丁稚奉公を経て一からスタートした創業時の初心を大切にし、社員が一つになって目標に取り組みたいとの思いを強く抱きました。

  ――白タオルなど卸事業は縮小しています。

 卸の存在理由はあり、事業を続けていきます。市場ニーズが多様化する中で、小規模でもきめ細かく対応できる小売り、メーカーが求められており、両者をつなぐことが役割の一つです。さらに“タオルプラスα”の商品開発にも力を入れます。

  ――社内の労働環境整備にも力を入れています。

 短時間正社員制度や、法定労働時間を1日基準ではなく月単位・年単位で清算する変動労働時間制の導入、ハラスメント防止など、働きやすい労働環境の整備を図ります。タオルは女性が主要購買者です。当社の従業員20人のうち8人が女性で女性比率が高く、女性が働きやすい環境作りも積極的に進めます。