メーカー別 繊維ニュース

18秋冬婦人服地/「買う理由」を刺激せよ/原料、機能、色柄

2017年11月16日(Thu曜日) 午前10時21分

 アパレル不況の中、生地商社による開発生地の打ち出しにも変化が見られる。重要ポイントとして台頭するのが「買う理由」(購買動機)の付与。機能性の丁寧な説明、原料からのこだわり、たんすにない色柄――といった要素を中間財である生地からも付加していくことが、消費者の購買意欲を刺激する。(吉田武史)

 服が売れない――。深刻さを増すこの問題に立ち向かうかのように、生地商社の打ち出しが明確になってきた。消費者がアパレル製品の購買意欲を冷え込ませるのに連動して、一部を除くアパレル各社の生地購入も慎重さを増す。各生地産地や生地商社幹部からは「引き付け型(期近)発注傾向が過去に例がないほど強まっている」との声が聞かれ、アパレル各社の慎重姿勢を実証する。

 消費者の購買意欲を喚起し、アパレルの慎重姿勢を打開するために必要なことは、中間財である生地からの差別化であり付加価値化。さらに言えば、その魅力を正確に発信することだ。機能性の打ち出しもこの流れを強く取り入れたものと言える。スタイレムや瀧定名古屋はこのほど開いた18秋冬向け展示会で、各種機能素材の説明に力を費やした。生地やハンガーに機能をうたったシールを貼付してアピールし、バイヤーの関心を引いた。機能性の説明は、言葉にしやすく分かりやすい打ち出しだ。

 スタイレム、瀧定名古屋という国内服地ツートップがそろって原料からのこだわりを展示会で訴求したことも象徴的。両社ともウール原料などをその生産地とオリジナリティーを交えて説明文付きで訴求。これも、消費者の購買動機を喚起させる取り組みの一つと言える。

 先染めやプリントといった色鮮やかな生地も、数シーズン続いた「ノームコア(シンプル)」トレンドからの反動を狙う上で欠かせない訴求ポイントになる。各社が「先染めの流れが強い」と証言すれば、宇仁繊維は「先染めの流れにはやや乗り遅れたが、得意のプリントで巻き返しを図りたい」として18秋冬向けで久しぶりにプリントの提案を強める。

 「アパレル不況を打開するのは生地――」。この仮説の成否を確認することも、18秋冬、またそれ以降のシーズンの関心事の一つと言える。