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特集 JFWテキスタイルフェア(JFW―JC&PTJ)(3)/JFW―JC & PTJ/有力出展者の見どころ

2017年11月22日(Wed曜日) 午後2時28分

〈宇仁繊維/テーマは「ツイスト」〉

 宇仁繊維(大阪市中央区)は継続出展するPTJで新規顧客開拓を進める。18秋冬のシーズンテーマは「ツイスト」。撚糸物を増強提案するほか、独自のひとひねりした素材群を訴求する。

 基本的な開発の方向性は高級化。シルクやトリアセテート繊維を拡充するとともに、「製品を作りたくなるような見た目のインパクトが必要」としてジャカード、デジタルプリント、レースなどの打ち出しを強めるが、価格はメーカー機能を発揮して抑える。起毛などで触感にこだわった生地や、定着しつつある各種機能性素材も充実する。

 新作発表だけでなく、多品種・即納体制をアピールする場としても「PTJは有用な場」として、18秋冬向けと同時に18春夏の現物対応も行い、幅広い顧客への供給体制をPRする。

〈内外織物/オンリーワン原料で新機軸〉

 播州織産地の内外織物(兵庫県西脇市)は、自社生地ブランド「nunono」に加えた新ライン「nunono:」で、東洋紡STCと共同開発したオリジナル原糸によるポリエステル綿混織物を披露する。

 最先端の長短複合技術を駆使し、各生地に合わせて設計した原糸は、綿同様の奇麗めの風合いを実現するとともに、素材ごとにイージーケアや吸汗速乾など各機能も兼備。従来のポリエステル綿混定番品の概念を根底から覆す新たなハイブリッド素材として打ち出す。

 シャツ、ブラウス向けの高密度薄地からアウターやパンツにも使える中肉地まで、多用途に対応する素材をそろえ、綿100%織物も「フェザーコットン」使いでブロード、ダブルガーゼ、ツイル、オックスフォードなど多種の組織を改めて出展。各生地のスワッチ見本も用意し、認知拡大に努める。

〈播/新素材に加え、ストールも発信〉

 播州織産地の播(兵庫県西脇市)は、産元兼機業としての価格対応力や品質管理力を背景に、小ロット・短納期対応への評価を高めており、プレミアム・テキスタイル・ジャパン出展でもこの数回、新規顧客獲得に弾みがついている。

 今回は糸、組織の両面から新開発品をそろえたが、通年素材のポリエステル綿混織物と、その秋冬向けアレンジ版のポリエステル・ウール綿混をメインに打ち出す。杢糸の綿サイドを反応染料で後染めすれば、自然なムラ感を強調した表情に再アレンジできる。組織も平織りのほかツイルやドビー、ジャカードまで多彩にそろえた。

 シャツの製品サンプルの他、自社ブランド「fabori(ファボリ)」の100番手極細綿糸使いの「100/1(ヒャクタン)ストール」をはじめ各種ストールも出展し、現物販売も行う。

〈カゲヤマ/着心地・機能へのこだわり前面に〉

 播州織産地のカゲヤマ(兵庫県西脇市)は日本と海外の生産背景を生かした、備蓄品と別注展開両立てが強み。アパレル企画の引き付け傾向が強まり、短納期要望も増える中、トレンドを先読みした生地企画と備蓄品を生かした別注・半別注の対応力で定評を得る。

 今回は「リラックス&コンフォータブル」をテーマに、着心地と機能性にこだわった約50点の織物を出展する。重点訴求素材はボトム向けのポリエステル73%・レーヨン27%のツイル。機能糸「サーモライト」の軽量性・保温性に加え、レーヨンによるドレープ性もポイント。同シリーズはストレッチ品も展開する。

 毛足が長く、ふわりと肌触りの良い綿100%ツイルのネルチェックも6色展開で用意した。

 来場の増える海外バイヤーへの訴求も強化。輸出拡大にも期待をかける。

〈篠原テキスタイル/定番と加工を組み合わせる〉

 デニムメーカーの篠原テキスタイル(広島県福山市)は、PTJ2018秋冬に、自社製の定番デニムと各種プリント、刺しゅうなどの加工を組み合わせたデニムを出品する。ブースナンバーはA―28。

 プリントとの組み合わせでは、顔料プリントによるカムフラージュ柄や金銀色の箔プリントによる光沢表現を提案。洗い加工によって、プリント部分の一部が剥落し、独特の表情を表現できる。

 刺しゅうとの組み合わせでは、熱収縮するポリエステル特殊糸で薄地デニムに柄を刺しゅうし、高めの水温で洗い加工することで、柄部分に凹凸感のある表面変化を与える。刺しゅうの柄によるバリエーション展開もできる。

 秋冬向けに、中わたをデニムで挟むデニムキルティングも提案する。

〈KBツヅキ/ラブリーゼ新機能アピール〉

 綿糸製造販売のKBツヅキ(名古屋市中区)は、特殊2層構造糸「ラブリーゼ」を使った生地を出品する。5月の春夏展で発表して以降、改良を重ね、暖かさや速乾性といった新機能を付与した。

 ラブリーゼは芯部分にナイロン長繊維、鞘部分に綿を配した複層紡績糸で、独自の紡績技術「マルチ・フリース・ツイスト・ヤーン(MFTS)」と、使用権を得たI.S.T(滋賀県大津市)の特許技術を組み合わせて開発した。軽さやソフトな風合い、バルキー性に優れるのが特徴。

 今展は綿60%・「テンセル」40%の素材でナイロン芯をカバーし、秋冬展に合わせてナチュラルな暖かさをアピール。生地はベア天竺、接結ニット、2重ガーゼ地をそろえた。綿100%でナイロン芯をカバーしたツイルは裏起毛を施した。

〈ササキセルム/多機能・複合素材を訴求〉

 ササキセルム(愛知県一宮市)は1937年の創業以来80年、絶えず備蓄力を発揮した提案型コンバーターとしてQR、小ロット対応を図っているのが特徴だ。今回展では特に強みとしている多機能素材と尾州で培われた複合素材を訴求する。

 多機能素材はポリエステル、アクリル、ポリウレタンの4者混素材。発熱、保温、縦横のストレッチ性を併せ持った多機能素材をピンヘッドやシャンブレー調で訴求する。複合素材では経糸にポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリウレタンの混紡糸、緯糸に紡毛ウールの複合素材でウオッシャブルとストレッチ性を持たせた。柄は千鳥格子、グレンチェック、ストライプの3柄を展開。いずれもボトム素材を中心に幅広く備蓄する。ホームページにはB2BのECサイトも開設。1㍍単位で受注に応じる。

〈長谷川商店/ふわふわ加工展開〉

 高級撚糸・紡績糸製造卸の長谷川商店(愛知県一宮市)は、自社の撚糸機を生かし、糸に「ふわふわ加工」を施したシルクや綿100%の生地、製品サンプルなどを展示する。

 同加工を施したシルクは「KOHARU(小春)」、綿は「KOYUKI(小雪)」という商品名で展開する。小春は“シルクを超えたシルク”として、ソフトなタッチとカシミヤのような風合いが特徴。小雪は膨らみとふんわり感を表現し、これまでにないような新たな綿の触り心地を訴求する。

 シルクや綿のほかに、ウール、カシミヤ、モヘアなど多彩な糸素材も提案する。さらに、オリジナル糸で豊富なカラーストックを抱え、即納体制を築いていることもアピールする。同社の商品は海外のメゾンブランドに採用されている。

〈鈴木晒整理/防シワ加工訴求〉

 染色加工受託の鈴木晒整理(浜松市)は、防シワを施す「クリーズケア」加工を訴求する。天然繊維のシワ軽減というニーズに応えて開発し、5月の前回展で初めて出品。イージーケア性、着用時のシワの回復性、防縮性に優れる。

 前回展以降、試験を重ね、素材や組織ごとに加工できる種類を増やしてきた。綿や麻素材だけでなく、セルロース系の再生繊維、薄手からパンツ地まで対応できる。

 今展ではコットン・ポリウレタン混のパンツ地にマイクロピーチ加工とクリーズケアを付与した生地を展示する。

 カシミヤ調の風合いを施す新加工も打ち出す。綿100%の生地に上品なタッチや光沢感などの高級感を表現できるのが特徴。天然繊維であれば、どんな素材でも加工可能という。

〈福田織物/コーデュロイ進化〉

 細番手糸を用いた高密度綿織物の製造を得意とする福田織物(静岡県掛川市)は、天龍社産地の伝統的な織物のコーデュロイを進化させた「ベコ」を出品する。

 ベコは産地の縮小に歯止めをかけようと、2014年に始まったプロジェクト。産地内の織り、カット技術を結集して生地を生産しており、同社は新たなコーデュロイの形として訴求。イタリアの「ミラノ・ウニカ」展へ出品し高い評価を得ている。

 特徴は定番のストライプの畝だけでなく、ジャカードの応用により多彩な柄を表現したこと。細いラインのボーダーを入れた「サボテン」や小さなドットの「コーヒー豆」、縦の長いパイルをわざと丸くなるようにカットした「木の幹」などをそろえる。柄だけでなく、軽さや柔らさも備える。

〈古橋織布/綿の素材感アピール〉

 シャトル織機による高密綿織物を製造する古橋織布(浜松市)は、綿の素材感や同織機による風合いを生かした生地をアピールする。約120点の生地を展示する。

 綿100%の平織は、縦にランダムなシワ加工を入れて起毛を施した。メンズでも使えるような表情感で、ジャケット地やコート地として訴求する。シャトル織機で製織することで、平織りでもふっくらとした起毛が特徴という。

 特注の糸を使ったコート地も出品する。先染めのウール80%・麻20%の混紡糸使いで、ウールだけしっかり色が出るため、霜降り調の色合いになる。

 同社はシャトル織機を20台保有。高品質で風合いがよい生地は海外からの評価も高い。産地の中では早くから自販を手掛ける。

〈渡辺パイル織物/糸、織り段階から独自性〉

 渡辺パイル織物(愛媛県西条市)は、これまでのPTJの全てに参加してきた。今回のPTJ2018秋冬にもタオル製造で培ったノウハウを用いたテキスタイルを提案する。ブースはA―22。

 今回の提案の中心となるのはパイルのない生地。前回の春夏展で初披露し、タオル地のような密度の低い、ゆったりとした柔らかな風合いが評価を得た。ヘリンボンやジャカードでの柄バリエーションのほか、緯糸に獣毛系やリネンを用いた風合い変化も打ち出す。

 パイル生地ではトップ染めによる、単糸段階で2色の色合いを持つ糸を用い、ランダム感のある生地を提案。シャーリングや起毛加工でのバリエーションを打ち出す。

 他産地との協業企画にも積極的に取り組み、シャツなどの製品までを見越し生地開発も進める。

〈日本形染/PTJ初出展〉

 染色加工の日本形染(浜松市)は、今回初めてPTJに出展する。これまで出展していたJFW―JCで得た経験を生かす。2011年からは生地の自販もしており、今展では透け感や凹凸感が特徴の「オーガンジーワッフル」加工の生地を出品する。

 同加工は、綿100%のローンに透明な樹脂で柄をプリントし、柄のない部分を縮めて凹凸感を出す。これまでは大小のドットやストライプ、四角などの柄だけだったが、新たにトライアングルを加えた。

 さらに、同加工に永久シワを施す「ミラクルウェーブ」加工をプラスした「オーガンジーミラクル」加工の生地も訴求。オーガンジーワッフルを含め、ホワイト、グレー、ブラックの3色で展開し、ブラウスや部分使いの生地としてアピールする。

〈第一織物/高密度でコットンライク〉

 第一織物(福井県坂井市)はPTJへの出展で新規顧客の開拓に結び付けてきた。

 今回展は3回目の出展となるが、ナイロン長繊維100%使い「DN1700」、ポリエステル長繊維100%使い「DA2615W」をメインに18秋冬向け素材を訴求する。

 DN1700はダウン用の薄地織物(タフタ)。ホワイトに染めてもダウンの羽が透けにくいのが特徴という。

 一方、DA2615Wはポリエステル100%の薄地織物(タフタ)でコットンライクな表面感を実現した。柔らかいタッチから、見た目よりも軽量に感じることができる。

 同社は他にはないオリジナル性を得意としており、備蓄販売する生地のカラーバリエーションも、トレンドを意識した使いやすい色にして提案できるのが特徴としている。

〈丸井織物/ノト・クオリティーを製品で〉

 丸井織物(石川県中能登町)は“心地良さ”を感じるコンセプトとする自販生地の総称ブランド「ノト・クオリティー」を中心にPTJで提案する。同社はこれまでの出展で同ブランドの市場認知度を高め、小売り・アパレルとの交流を通じて商品開発に生かしてきた。

 今回展ではノト・クオリティーのコンセプトをTシャツ、シャツの製品染めやプリントなどで訴求するほか、サブブランドである「きるかさ」を、傘が不要のアウターウエアとして、傘クラス、傘の2倍、4倍とバリエーションをそろえてアノラックジャケットで見せる。

 さらに、パートナー関係を結ぶアパレル、オールユアーズ(東京都世田谷区)のクラウドファンディング展開する、色あせないパンツなど3テーマを中心にした製品も出品する。

〈八田経編/意匠糸使い見た目も変化〉

 八田経編(福井県鯖江市)はPTJ出展当初は個人ブランドの小口成約だったが、百貨店アパレル向けの大口受注にもつなげている。

 今回展では意匠糸を使い、見た目に変化を持たせたカジュアル提案に力を入れる。ポリエステル100%のシック&シン糸を使い、捲縮(けんしゅく)差で色の濃淡を表現したダブルラッセルのセンターカットベロアや、ポリエステル、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)繊維を使用したバックハーフなどを出品する。

 センターカットベロアはウオッシャブル可能でイージーケア性に富むのが特徴。バックハーフはソフト感やストレッチ性に加え、経編みの特性である軽量性や形態安定性を生かしトラベルジャケット、ビジネスシャツ向けに提案する。

〈山越/カチオン使わず杢表現〉

 山越(石川県かほく市)は今回のJFW―JCで、「エンジュロンゆらぎ」など各種差別化糸を提案する。

 エンジュロンゆらぎは今春から本格稼働した新高速延伸仮撚機を使ったもの。同機は糸の特性を生かした複合糸が生産可能で、カチオン可染糸を使用せずに一つの原糸で色差が生まれ、杢(もく)調表現ができるほかスパンライクな風合い、シャリ感、ハリ・コシ感も有する。

 その他、従来よりも伸縮性を高めたストレッチ糸「同SSY」、銀イオンを練り込んで優れた抗菌性を持つ「同シルバー」、杢調表現や制電性が特徴のナイロン・ポリエステルの特殊複合加工糸「ナイステル」、天然ライクな各種加工糸を提案する。

 同社は仮撚加工機19台を持ち、月約1500トンの規模を誇る。

〈シモムラ/総合メーカーとして訴求〉

 シモムラ(石川県小松市)は今回のJFW―JCで、糸加工から染色加工まで対応できる総合メーカーとしての知名度向上を図る考えだ。

 同社は各種糸加工機を保有し、需要家のニーズに応じた原糸からの織物の企画製造が可能。さらに独自技術によるオリジナルの織物、特に複合素材の開発、生産・販売を強みとする。

 今回展ではポリエステル100%スラブ糸によるマット織物(フレーキマット)、レーヨン69%・ポリエステル31%複合による2重織りをメーンに18秋冬向け素材を打ち出す。フレーキーマットは大胆な意匠糸を使いと後染めによる膨らみ感が特徴。椅子張り地など向けに提案する。2重織りはイタリー式撚糸機を使った、膨らみ感、ストレッチ性が特徴で、婦人服地として訴求する。

〈島精機製作所/トータル・ファッション実現〉

 島精機製作所は3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」と最新の「ホールガーメント」(WG)横編み機によるニット製品サンプルを出展し、トータルファッション・トータルニッティングシステムをアピールする。

 SDS―ONE APEX3は、企画・デザインから生産までをサポートする“オール・イン・ワン”の3Dデザインシステム。シミュレーション機能により企画プロセスを改善し、サンプリングのコスト・時間・材料ロスを省くバーチャルサンプリングを可能にする。

 柄や生地デザインを変更しながら最終製品の仕上がりイメージを3Dでリアルタイムで確認できる「リアルタイム3Dビュー」機能も紹介する。織物、丸編み、横編み、パイル関連などのバーチャルサンプル、配色検討やプリントデザインの作成も行えることから、クイックなモノ作りが可能で、サンプル作製のコスト、時間、材料ロスを削減するだけでなく、プレゼンテーション力の強化にもつながる。

 そのほか、WG横編み機による製品サンプルなど多数展示する。最新鋭のWG横編み機は従来の横編み機では不可能とされた立体的編成なども可能にしており、セーターだけでなくドレスなどの生産も可能にした。3Dデザインシステムとの連動によってトータル・ファッションシステムを実現する。