前向きな過渡期 「JFWテキスタイルフェア2018秋冬」から(中 )

2017年12月05日(火曜日)

領域の垣根を越えて

 11月28、29日に、東京国際フォーラムで開かれた「JFWテキスタイルフェア2018秋冬」の「JFWジャパンクリエーション2018(JFW―JC)」「プレミアム・テキスタイル・ジャパン2018秋冬(PTJ)」両会場では、“前向きな過渡期”を感じさせるさまざまな新しい試みが見られた。

 特に新規顧客の開拓に向けては、欧米、アジアなどの海外市場を意識した素材開発も少なくない。

 JFW―JCで米沢織物工業組合から出展した安部吉は、トリアセテート、ストレッチ、モールの三つをテーマに120点の新作を用意した。特にトリアセテートやキュプラという日本発の特徴のある繊維に、撚糸などで工夫を凝らしたオリジナリティーの高い生地を披露した。「欧州や中国など売れる市場を探したい」と説明する。

 JFW―JCに大津市商工会議所から出展した大津毛織は、初期撥水(はっすい)4級、ドライクリーニング10回で3級という超撥水加工「アクアドロップ」や、空気のように軽い「エアーファブ」などを打ち出した。「海外に目を向けているアパレルメーカーなどとも連携できれば」と言う。

 衣料からインテリアや生活資材、産業資材など、あるいはその逆の方向で、領域の垣根を越えて、異業種分野の市場開拓へのアピールを強めている出展者も少なくない。

 サンウェルは、ファッション以外の顧客獲得を狙ってPTJに初出展。生地そのものよりは同社が持つ機能や展開しているサービスを中心に訴求した。「思いの外、この方針に見合う客が来てくれて驚いた」と説明する。機械部品の下地に使う生地を探しに来ていた精密機械メーカーとの商談や、メディカル用品の一部に使う生地を探しに来たメーカーからは見本依頼もあり、大きなロットの受注につながる可能性を感じたという。

 カーテンや産業資材向けのイメージが強い山越は、JFW―JCに今春から本格稼働した新高速延伸仮撚機を使った「エンジェロン」シリーズなどの差別化糸を製品サンプルといっしょに出展した。「衣料向けにもけっこう当社の糸を使っていただいている。この展示会で衣料分野のニーズを確かめる」と語る。

 JFW―JCに出展した島精機製作所は、3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」や最新の「ホールガーメント」横編み機のほかに、資材系の素材なども生産できるコンピューター横編み機なども紹介。ユーザーの衣料から資材分野の素材へのモノ作りの幅出しを支援している。