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ズームイン/宇仁繊維の取締役に就いた細川 貴志 氏/「一反入魂」の精神で

2017年12月11日(Mon曜日) 午前11時14分

 10月10日付で宇仁繊維の取締役に就いた。同社創業19期目にして初の宇仁家以外からの役員が誕生。その二人のうちの一人である。

 27歳から宇仁繊維に勤める。大阪を本社とする同社が東京地区の開拓に本腰を入れようと東京店を立ち上げてしばらくたった頃のことだった。東京開拓のミッションを背負う宇仁麻美子常務を含め、当初は4人という小さな所帯。販売する商品も当時はプリント下地が主力だったが、無地やプリントという染め生地の拡販役を担ったのも細川氏だった。

 入社動機は「ファッションに興味があった」から。前職はアパレルの店頭販売員だったが、休日も不規則で、「これでは趣味の卓球ができない」との不満が募り、宇仁繊維への転職を決めた。以後、土・日を大好きな卓球の時間に充てながら平日は東京地区の開拓に精を出した。この頑張りは成果となって表れ、「ミスター宇仁繊維」と呼ばれるほど。小口販売の手間も嫌がらず実績を積み重ね、社内の信頼も高めていく。

 「仕事を任せられることが楽しく、励みになった」とこれまでを振り返る。「できませんと返答するのが嫌い」という生来の性分も生きたし、課長時代には、「他部署には負けたくない」という競争意識もプラスに作用した。「会社だけでなく仕入れ先、販売先に育ててもらった」と感謝の気持ちも忘れない。

 当初の4人から80人にまで拡大した東京店を任されるようになり、取締役になった今は、「気が付けば全体(の数字)を考えるようになっていた」と意識も変わった。

 東京店の店長代理を務める細川氏に与えられたミッションは、2017年8月期で30億円強だった東京店の売り上げを、当面60億円に引き上げること。相当に難しいミッションに思えるが、「できませんとは言いたくない」。プロジェクトチームも立ち上げて全社で取り組む大手ブランドとの取引深耕を進めながら、同社の原点である不特定多数の顧客に小口から販売するという原点を改めて見直し、このミッションをなんとか達成したいと考えている。

 モットーは趣味である卓球の「一球入魂」をもじった「一反入魂」。得意とする一反からの小口販売の積み重ねに「何か新しいこと」を加え、将来を開いていく。(武)

 ほそかわ・たかし 同大・商卒。アパレルの店頭販売などを経て東京店の募集に応募し2003年に宇仁繊維入社。17年10月から現職。香川県出身。41歳。趣味はインターハイやインカレ出場経験もある卓球。