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EU・ベトナム自由貿易協定/関税優遇の恩恵に明暗/越企業 業容の違い反映し

2017年12月28日(Thu曜日) 午後4時18分

 来年署名予定の欧州連合(EU)・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)によりベトナムからEUに向けた輸出関税の優遇措置が取られるが、その恩恵の得方にはベトナム繊維・縫製企業の業容によって大きく明暗の差が出るとみられている。

 「ベトナム・インベストメント・レビュー」によれば、同協定発効後には、「EVFTA由来」の製品のみが、現在12%であるベトナム繊維・アパレル製品のEU輸入時の関税を最大7年間免除される。EVFTA由来の条件としてEVFTAは、繊維・アパレルメーカーに国内で二つの生産工程を踏むよう求めている。それにより、ベトナムの生産者は従来の「裁断・縫製」の工程に「織布・編み立て」の工程を加えることになる。これには財源と、高テクノロジーの機械を扱うことのできる技術力の高い労働者が必要となるため、現時点でこれを運用することは一般に大変困難な状況にある。

 その中で、タンコン繊維投資貿易やフオン・アインJSCなどベトナム国内の繊維・アパレル企業の中には、繊維、生地、紡績糸、ボタンから完成品まで密接な生産チェーンを持つものもある。こうした企業はEVFTAの恩恵を受けることができるという。

 フオン・アインJSCの営業部門長によれば、「EVFTAが当社に有利に働くと見込んでいる。関税撤廃により、当社のEU市場向けのアパレル輸出は年間25~30%増加すると予測している」。同社は、原材料を全て子会社から仕入れている。

 しかし、ベトナム国内の繊維・アパレル企業の多くは、EVFTAで恩恵を受けることはできないだろうとベトナム・インベストメント・レビューに回答している。

 ハノイにあるシンガポール・ベトナムのアパレル関連合弁企業の副部長は、欧州の幾つかの国に製品を輸出しているにもかかわらずEVFTAの関税撤廃の恩恵は望めないだろうと語る。EVFTAに加盟していない香港から原材料のほとんどを輸入しているためと言う。

 南部ビンズン省にある韓国資本の繊維企業の代表者も、中国・台湾・香港から原料を輸入し米国へ製品を輸出しているため、EVFTAに伴う関税インセンティブの恩恵を受けることはないと述べる。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕