中国/18年の日系昇給率は6.2%/17年実績は6.4%

2018年01月12日(金曜日) 午前11時25分

 中国に進出している日系企業の2018年の昇給率は、平均で6・2%となる見通しだ。17年の実績昇給率6・4%を0・2ポイント下回るものの、企業にとっては引き続き人件費の上昇が見込まれる。多くの日系企業は現在の人件費を許容できる限界に近い水準と考えており、業務の効率化や駐在員の削減といった対策を迫られている。

 NNAが毎年実施している「日系企業現地社員給与動向調査」で明らかになった。

 18年の昇給について「する」と回答した在中国日系企業は71・7%、「未定」が27・0%、「しない」は1・3%だった。17年実績では昇給を実施した企業が95・3%に上った。

 18年の予定昇給率を細かく見ると、「4・1~5・0%」が全体の21・8%と最も多く、以下は「5・1~6・0%」(14・8%)、「7・1~8・0%」(13・4%)、「6・1~7・0%」(13・2%)、「2・1~3・0%」(11・5%)と続いた。業種別では「金融・保険・証券」の8・1%が最も高くなっている。

 昇給率を決める判断材料(複数回答)については、「本人の成績(あるいは営業成績)」を挙げた企業が85・0%で最多。「消費者物価指数・インフレ率」(60・8%)、「出欠状況など勤務成績」(54・5%)、「現地法人等の業績」(50・6%)といった要素も過半数の企業が主な判断材料としている。

〈賞与は平均2カ月〉

 18年に賞与を支給「する」予定の企業は74・8%、「未定」が20・4%、「しない」が4・7%となった。

 平均支給月数は2・0カ月で、分布を見ても「1・6~2・0カ月」が全体の35・1%を占めて最も多くなっている。

 以下は「0・6~1・0カ月」(18・0%)、「1・1~1・5カ月」(13・7%)、「2・1~2・5カ月」(11・7%)と続いた。

 17年の賞与実績は、91・4%の企業が支給「した」と回答。平均値は1・9カ月だった。

〈人件費、ほぼ許容限界〉

 部門別に見た17年の実績給与額(平均の月額:税引前金額、社会保険料込みの金額:社会保険料は会社負担分を除き、個人負担分を含んだもの)は、生産部門で9031・3元(約15万6400円)、営業・マーケティング部門で1万3072・3元、物流部門で8558・9元となった。

 新卒給与は「4001~5000元」の企業が32・7%と最も多く、以下は「3001~4000元」(22・3%)、「5001~6000元」(18・0%)と続いた。全体の平均は4633・9元だった。

 中国の人件費上昇に関しては96・0%の企業が「感じる」と回答。大部分の企業が人件費の上昇を切実に感じている状況が読み取れる。

 今後どのくらいまで人件費の上昇を許容できるかとの質問には、43・1%が「現在の水準」、34・7%が「現在の水準の1・2倍」と回答した。両者を合わせると全体の8割近くに上っており、多くの企業にとって人件費の上昇が限界に近いところまで来ていることをうかがわせる結果となった。

 人件費上昇への対策(複数回答)としては、「業務効率化によるコスト減」(76・6%)と「売上向上」(65・9%)に続き、「日本人駐在員削減」(36・3%)が3位に入った。「自動化」(21・9%)、「現地人員削減」(20・4%)を挙げる企業も多かった。

 労務管理上の問題(複数回答)では、「優秀な人材の確保」(78・7%)が企業にとって最大の悩みの種となっており、「賃金上昇」(64・8%)などを上回った。

 調査は17年9月にウェブ入力によるアンケート方式で実施し、548社から有効回答を得た。業種別の割合は製造業が43・2%、非製造業が56・8%。所在地では上海市が54・6%、江蘇省が9・3%、北京市が8・9%、遼寧省が5・7%などとなっている。

〔NNA〕