テキスタイル産地 1~3月商況 ⑥

2018年01月22日(月曜日)

尾州 糸値上昇が懸念材料

 毛織・編み物産地である尾州産地は、大手機業場を中心に18秋冬向けの先物受注が入り始めた。

 2017年冬が寒く店頭での売れ行きが良かったことが大きい。これにより、発注側が早めの手配に動き出したようだ。不振を極めていた紡毛織物も店頭での在庫が消化され、来シーズンに向けた発注が来ているという。

 機業場の中には「昨年12月にはスペースも埋まり始めており、18年は16年並みに戻せるのではないか」との希望的観測も中にはあるが、先行きはまだ不透明。

 その背景には原毛高騰に伴う梳毛糸価格の上昇がある。現在、48双糸が1㌔当たり2250円、60双糸が2450円、72双糸に至っては2900円とそれぞれ12月に比べて150円、150円、250円高。当用買いの機業場などにとっては「手が出しにくい」(商社)状況にある。

 特に安定的に糸を調達しなければならない紳士服地とは違って婦人服地はコストの足かせは大きく、「ウールからポリエステル・レーヨン混など他素材に流れる可能性がある」との声は少なくない。

 苦戦を強いられた17秋冬シーズン向けから浮上できるかどうかは微妙。出足としてはまずまずながら、この先、糸値がさらに上昇することになれば実需期に大きな影響を与えるだけに、楽観はできない。