過去最高の2869万1千人/日本政府観光局推定/17年訪日外客数19・3%増

2018年01月23日(Tue曜日) 午後3時58分

 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、訪日外客数の2017年推計を発表した。17年の訪日外客数は前年比19・3%増の2869万1千人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多となった。

 航空路線の拡充やクルーズ船寄港数の増加、査証要件の緩和に加え、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションなど、さまざまな要因が訪日外客数の増加を後押ししたと考えられる、とJNTOはみている。

 国・地域別では、主要 20カ国・地域全てで過去最高を記録した。中でも、中国(735万6千人)と韓国(714万人)は全国・地域で初めて700万人台に達したほか、これに台湾と香港を加えた東アジア4カ国・地域は、前年比21・9%増の2129万2千人となり、訪日外客数全体の70%以上を占めた。

 また、ロシアでは年初の査証要件緩和の効果が大きく、前年比40・8%増と高い伸びを示した。

 JNTOがまとめた東アジア4カ国・地域の概況は次の通り。

●中国 初の700万人超え

 中国の訪日旅行者数は735万5800人で過去最高を記録、初めて年計で700万人を超えた(これまでの過去最高は16年637万3564人)。5月の査証発給要件の緩和に伴う個人旅行(FIT)需要の高まりや、クルーズ船寄港数の増加などを背景に、全ての月で同月過去最高を記録した。特にハイシーズンである8月は、全国・地域を通じて初めて80万人台に達し、単月として過去最高を記録した。

 年間を通して毎月50万人以上が訪れ、訪日旅行市場全体をけん引した中国では、急速にFIT化が進んでいることから、訪日旅行プロモーションでも個々のニーズに沿った多様な日本の魅力を強調。「深度游(個別テーマ性のある旅行)」を訴求する広告宣伝や、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)と連携したセールスキャンペーン、インフルエンサーを通じた情報発信などにより、重点地域である昇龍道を中心に地方の魅力を訴求し、より一層のリピーター獲得や、訪日目的の多様化を図った。

●韓国 40%増で714万人

 韓国の訪日旅行者数は714万200人で過去最高を記録、初めて年計で700万人を超えた(これまでの過去最高は16年509万302人)。韓国の外国旅行需要の増加や、相次ぐ格安航空会社(LCC)の新規就航等に伴う座席供給量の拡大を背景に、毎月40~60万人台の訪日が安定して続き、12月には単月として過去最高となる67万8900人を記録した。

 韓国では、世代ごとの多様なライフスタイルに合わせた訪日旅行の提案「私らしくもっと、日本でもっと」をコンセプトとした映像制作のほか、重点地域である中国・四国地方を中心に各地の魅力を訴求する訪日旅行プロモーションを行い、地方への誘客に力を入れた。

 人気ユーチューバーを起用した動画配信、カカオトークやインスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)を活用したPRや、総合オンラインショッピングサイトでの旅行会社との共同キャンペーンなど、多岐に渡る取り組みを通じて、消費者に直接アプローチすることにより、訪日意欲を喚起した。

●台湾 過去最高456万人

 台湾の訪日旅行者数は 456万4100人で過去最高を記録(これまでの過去最高は16年416万7512人)。2月を除く全ての月で同月過去最高を更新。特に、夏季の需要増加を見込んで各地にクルーズ船やチャーター便が運航された7月は、単月として過去最高となる44万6604人を記録した。

 前年の現地航空会社の撤退・解散により続いた座席供給量の減少、台風に伴う航空便やクルーズ船の欠航など、訪日旅行市場にとってマイナスとなる外的要因もあったものの、地方へのチャーター便の相次ぐ新規就航や増便、クルーズ船寄港数の増加に加え、継続的な訪日旅行プロモーションの効果が訪日意欲を喚起し、年間を通じて堅調に推移した。

 台湾では、人気俳優を起用した訪日PR動画の制作やこれと連動したトークイベントの開催など、重点地域である東北・中部地方をはじめとする地方のPRを通じて、リピーター層のさらなる地方分散化に力を入れた。また、直行便が就航している高雄をはじめ、台湾中南部でも、旅行博や一般消費者向けイベントなどの訪日旅行プロモーションを強化し、新規需要の開拓に取り組んだ。

●香港 初の200万人突破

 香港の訪日旅行者数は、223万1500人で過去最高を記録、初めて年計で200万人を超えた(これまでの過去最高は16年183万9193人)。前年は3月末にあったイースター休暇の日程変動の影響を大きく受けた4月は、単月で初めて20万人台を突破し、前年同月比64・6%増と好調であった。

 リピーターの割合が大きい香港では、重点地域である北海道(道北、道東、道南エリア)、東北、中部(昇龍道)、中国、四国など各地方の魅力を訴求し、訪日需要の地方分散化に取り組んだ。こうした取り組みの成果もあって、小松や仙台など地方へのチャーター便の就航や増便が相次ぎ、7月は単月として過去最高の23万4651人を記録した。

 訪日旅行プロモーションにおいては、「リラックスや癒しの旅『ゆるたび』」をテーマに、ウェブサイトやSNS等を通じた情報発信を行ったほか、訪日ウエディングツーリズムの促進を目的としたセミナーの実施や展示・即売会への出展を行い、訪日目的の多様化を図った。