テキスタイル産地 1~3月商況 ⑩

2018年01月26日(金曜日)

今治・泉州タオル 情勢変化、一定の危惧

 今治糸友会がまとめた2017年の今治タオル産地の綿糸受渡数量は6万800コリで前年比8・3%減少した。「今治タオル」ブランドの認知向上に伴い7年連続で増えた生産量も、受渡数量と同様、数%減となる見込みだ。

 こうした統計面での大きな変化はあったが、産地内では冷静な受け止め方が多く、閉塞感は薄い。現在は閑散期で、例年通り、サンプル生産など次シーズンの新製品に向けた動きが着々と進む。ただ、各メーカーに今治ブランドの「潮目が変わりつつある」との見方はあり、独自ブランド提案や新規先開拓の動きが続いている。

 今後の懸念材料では、店頭での販売不振で問屋の引き取り頻度が下がり、メーカー在庫が増えたとの声も上がっている。

 泉州タオル産地も繁忙期の10~12月、生産量が前年同期比4%減の2393㌧と伸び悩んだ。特に「終盤に商売がだれた」。慢性的なヘム縫製スペース不足で瞬発的な対応力が年々失われている。

 従来先では前倒し発注姿勢が定着した半面、振るわない市況を様子見した末の駆け込みも少なくない。ただ「急なスポット発注にはとても対応できない」状態が続く。

 年明け以降は閑散期に入り、「昨年ほどの忙しさはないが、引き合いはさほど落ちていない」と、白タオル専業などごく一部を除いて、減産基調にも悲壮感はない。

 他方、綿糸の高値定着に加え、人件費、縫製賃、プリント加工賃、運送費、箱代などの資材まで全面的なコスト増に危惧が高まる。「高価格品以外では国産糸はもう使えない」と言う機業もある。「時機を見てコスト増分の負担を求めていく」との意見も出始め、「4月以降が一つの山になる」という。

(おわり)