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繊維工場の労働環境改善の動き/ILO報告 カンボジア

2018年01月29日(Mon曜日) 午前11時43分

 国際労働機関(ILO)のカンボジア工場改善プログラム(BFC)がこのほど発表した報告書によると、繊維産業の労働環境に関するコンプライアンスは過去4年間で大幅に改善している。

 この報告書は、BFCの透明性プログラムを評価する、重要な21の要素に基づいた繊維分野の業績概要として一般公開されている。21全ての要素を順守している工場の割合は、公的報告を開始した2014年時点では30%であったが、現在では46%に増えている。一方で、違反数に関しては281から197に減少した。

 改善が最も顕著な要素は、「労働者の緊急避難訓練」(17%増)および「稼働時間中の非常ドアの解錠を工場側が確保」(13%上増)。いずれも労働者の緊急時の安全性改善に必須の事項であるという。

 BFCプログラムマネージャーのエステル・ゲルマンズ氏は報告書の中で、「重要課題を公的に報告することが工場の改善につながることは明らか。このイニシアチブをどのように拡大していくかを是非われわれのパートナー達と協議していきたい」とし、労働環境が著しく改善しており、関係者間で話し合う機会も増えているとした。

 さらに「報告書やわれわれの調査からも、労働環境の改善が労働者たちだけでなく、事業にとってもメリットとなることが分かる」とし、「カンボジア王国政府、カンボジア縫製業協会(GMAC)、労働組合とBFCが継続して協力していくことが、カンボジアの労働者により良い職の機会を提供し、産業全体にビジネスの価値を作り出すのには必要不可欠」と同氏は述べた。

〈苦情の数が昨年中に激減〉

 カンボジア労働者連合協議会のソム・オーン会長も報告書が指摘する点に同意し、「労働諮問委員に寄せられる苦情の数は、過去数年間には月に25件ほどあったが、現在では月に4~5件ほどになっている。これは全関係者の労使関係が改善していることを示す」と、当局に寄せられた繊維部門に関する苦情の数が昨年中に激減したことを指摘した。

 報告書によると、同分野の児童労働の数も減少しているという。14年には74件の事例が報告されていたが、昨年は4件のみであった。児童労働について調査し、基準違反に取り組むことにBFCとGMACが合意したことで改善が実現した。「工場での児童労働は決して許すことのできない問題だ」と報告書は説明している。

 マイナスポイントとして、繊維分野では労働安全と健康問題が依然として取り組まなければならない課題として残っていることを報告書は指摘している。

 照明や換気の改善に進んで投資を行う工場は少なく、労働安全や健康問題に関する施策や方針も十分に立てられていないか、導入されていないという。

 GMACには520の繊維工場と52の履物工場が登録されており、16年の繊維・履物製品の輸出は7・2%増加している。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕