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アセアン縫製用素材展/高度化する開発連携/現地調達素材が集結

2018年02月16日(Fri曜日) 午後4時18分

 今日16日までテピア(東京都港区)で「第4回アセアン縫製用素材展」(日本繊維輸出組合主催、日本繊維輸入組合協賛)が開かれている。専門商社の提案内容はベトナムでの取り組みを強調するケースが多いようだ。(石川 亮)

 ASEAN地域生産がサプライチェーンで果たす重要性が高まり続けている。日本繊維輸入組合が財務省貿易統計を基にまとめた2017年アパレル輸入統計では、同地域から9億1860万点を輸入。前年比9%ほど伸びた。16年に比べて伸び率は落ち着いたが、輸入に占めるシェアは金額が25・7%、数量が24・8%でそれぞれ1・5ポイントほど上昇した。

 実需型、小ロット・QR傾向が強くなっている現状は、同地域への生産シフトにブレーキをかけるが、生産の環境変化がする中国の受け皿としてASEAN地域生産が欠かせなくなっている。コスト競争力を持ちつつ、縫製一貫で差別化品を域内で生産したい顧客の要望にも、現地開発素材を高度化させる形で適応しつつあることも、同地域の存在感をさらに高めている。

 一村産業は16年度から本格化した「ベトナムプロジェクト」で、ユニフォーム分野をワーキングに加え、病院やサービス用白衣で深掘り。カジュアル一般衣料用生地にも幅出しする中で台湾系、韓国系企業との開発連携を16年度の2件から17年度は5件に増やした。モノ作りに入り込んで顧客要望に適合する生地開発を進める。

 日鉄住金物産は16年に出品したインドネシア製のブラウス、シャツ用イージーケア素材の改良に取り組んだ。現地企業との取り組みを深めて加工法を工夫した。現地の一般的なポリエステル・レーヨン混素材を加工で風合いを高めた新開発品も披露。「開発の経験値が少ないだけに取り組み先にしっかりと入り込んで、具体的な指示を出さなければならない」と語る。その一環で技術者と業務委託提携した。

 スタイレムは「国ごとに得意な原料があり、適地適品で開発する」。海外生産を主力とする部署で、同地域の生産比率は約15%で推移するが、ベトナム、インドネシアの案件が増えている。インド製素材も継続して提案した。

 初出展の興和は縫製工場が集積し、川上・川中産業インフラも整いつつあるベトナムでカジュアル用生地開発に着手したことをアピール。日本製付加価値素材をASEAN地域で生産する枠組みも推す。特許申請中の独自加工で、抗ピル性を付与したインディゴ染めナイロン短繊維生地が関心を引いた。

 ベトナムでの取り組みに各社が力を入れている。縫製工場が集まり、川上・川中産業の基盤整備もここ数年で急速に進んだ。「勤勉な国民性は生産性向上の取り組みにも適しているため、賃金上昇も補える」と、評価する声が多い。「長年の取り組み実績があっても、競合が激しくなっているので油断できない」(田村駒など)との見方も出る。