タイ/17年GDP3.9%増加/5年ぶり高成長、輸出がけん引

2018年02月22日(Thu曜日) 午後3時16分

 タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)が19日発表した2017年の国内総生産(GDP)速報値は、実質ベースで前年比3・9%増だった。伸び率は13年以降で最高。輸出額(米ドル建て)の増加率が前年の0・1%から9・7%に拡大したことなどを受け、前年から0・6ポイント伸びが加速した。

 第4四半期(10~12月)のGDP成長率は前年同期比4・0%。前四半期に続いて4%台を維持したものの、0・3ポイント減速した。NESDBは、18年のGDP成長率を3・6~4・6%と予測している。

 17年第4四半期のGDPは、外国人旅行者数が前年同期比19・5%増の928万人に急増したことなどから、観光関連のホテル・レストランや運輸・倉庫・通信が前四半期から拡大した。製造業は伸びが減速したものの、プラスを維持した。

 18年のGDP成長率は、昨年11月の予測値を据え置いた。NESDBのポラメティー長官は、世界経済の成長加速、政府のインフラ整備など向けの支出拡大、民間投資の回復の鮮明化、主要産業の継続的な拡大、家計収入の改善などが成長に寄与するとの認識を示した。

 輸出額は、17年から減速するものの6・8%増加し、引き続きけん引役になるとみている。

 対米ドルでのバーツ相場の見通しは、昨年の1ドル=33・9バーツから31・5~32・5バーツにバーツ高が進むと予測。昨年11月に予測した34・0~35・0バーツから見通しを修正した。

 15年4月から1・50%に据え置かれている政策金利については、「現時点で引き上げる必要はまだない」と指摘。「タイ経済はいまだに回復基調にある上、インフレ率もタイ中央銀行(BOT)の目標を下回っている」と説明した。

〈政府インフラ投資が鍵〉

 カシコン銀行傘下の民間総合研究所カシコン・リサーチ・センターのゲワリン社長補佐はNNAに対し、「今年は政府のインフラ整備などへの投資が経済のけん引役になる」と指摘。17年は、入札が行われても契約締結、着工まで行き着かなかったケースが多く、複数の事業が停滞していたが、今年は鉄道の複線化や、都市間高速道路(モーターウエー)、首都圏鉄道の着工が進むと分析した。輸出と観光業も引き続き成長をけん引するとみる。

 懸念事項としては、農産物価格が安定して高値で推移するかどうか不透明で、農家の収入が低迷する可能性があることや、最低賃金引き上げによる急激なインフレなどを挙げた。

〈農業プラス回復〉

 17年のGDPを産業別に見ると、農業の伸び率が6・2%となり、前年のマイナス2・5%からプラスに回復した。第4四半期は全国的な洪水や天候不良で前年同期比1・3%減となったものの、第1~3四半期に好調だったことが貢献した。

 非農業の伸び率は、3・7%と前年から0・1ポイント減速。業種別では、ホテル・レストランが8・5%と高い伸びを記録した。

 製造業は2・3%から2・5%に加速。輸出向け生産が好調で、特に自動車、自動車部品・エンジンが拡大した。食品加工は天候不順による漁獲量減少などで落ち込んだ。国内向けは、全体が低調な中、石油精製品、食肉、非アルコール飲料が拡大した。

 電気・ガス・水道は、伸びが4・3%から1・7%に減速。電力消費量の伸び率が4・6%から1・3%に縮小した。建設は8・6%からマイナス2・3%に落ち込んだ。バンコクで活発だった一方、郊外や小規模都市で低調だった。

〈民間消費わずかに加速〉

 民間消費の伸び率は前年を0・2ポイント上回る3・2%だった。物価の上昇が抑えられたほか、消費者信頼感が回復したことで、第4四半期は3・5%と、前四半期から0・1ポイント伸びが加速。耐久消費財への支出の伸び率が前四半期の10・9%から21・8%に拡大した。

 総固定資本形成(投資)の伸び率は0・9%と前年の2・8%から縮小。前年は9・5%伸びた公共投資がマイナス1・2%低迷したことが響いた。民間投資は0.5%から1・7%に加速。機械・設備投資が2・4%拡大した。

〔NNA〕