インドネシア/クマテックス/利益率高まる/人員減や効率アップで

2018年02月26日(Mon曜日) 午後4時37分

 【ジャカルタ=橋本学】クラボウのインドネシア紡織子会社、クマテックス(ジャカルタ)の利益率が高まっている。従業員数や生産の効率化で、2016、17年度で利益計画に対してそれぞれ50万㌦ずつを上積みした。17年12月期はドルベースで前期比わずかに減収となったが増益だった。

 従業員数は16年1月に比べ31%減の501人(18年1月末)にまで削減した。主力のニット糸、生機生産では日本向けの生産に絞り込んだ。クラボウへの販売で工場を安定的に動かせるため、利益率が高まる。売上高に占める対日輸出の割合は、17年度は82%(前年度比6ポイント拡大)だった。

 生産工程では一部の生産機械の動力源をガスから電気に切り替えてコストを減らした。生産効率を高めるために最新の練条機を導入した。生産設備の配置も見直し、合理化を進めた。国内外の物流も改めて検証し、最も費用を抑えられるルートにした。従業員に対するコスト削減のための意識改革も行い、近年はローカル人材だけで改善策を考えるようになってきたという。

 クマテックスの売り上げの8割は糸売りで残りが生機の販売。主力の日本向けニット糸の用途はタオル、靴下、インナー、セーターなど。生機はユニフォーム用途で徳島工場の加工を経て縫製地へ再輸出されるケースが多い。ユニフォーム用途の加工反の製造は、タイのクラボウ関係会社に移管した。クマテックスが自家の染色加工場を持たないため、タイに加工反生産を集約した格好。

 インドネシア内販はカジュアル衣料用のニット糸で実績が表れてきた。今後も高品質の独自素材で拡販を狙うが、量より利益率を優先する。

 18年度は6月以降の日本向け輸出品の生産が不透明なこともあって、減収を予想する。クラボウへの販売拡大とインドネシアやそれ以外の国への高収益案件の受注が課題となる。生産する糸の種類を素早く切り替えられる体制を敷き、少量・短納期で適時適品を供給できるようにする。引き続き現地の人材教育にも力を入れ、コストダウン、不良品の削減に取り組む。

〈アクラベニタマ/海外のOEM受注獲得へ/チーム立ち上げ営業開始〉

 クラボウのインドネシア縫製子会社、アクラベニタマ(AKM、ブカシ)が海外アパレルのOEM受注に乗り出す。これまで売り上げの全てが日本市場への縫製品販売だったが、新たにインドネシア国内、欧米、豪州などの企業から、OEM受注を目指す。

 2018年度に営業チームを立ち上げる予定。これまで海外市場への営業担当がいなかったが、新たに語学と営業に強みを持つ従業員とデザイナーを現地で採用し、組織的な営業活動を始める。これまで日本向けで培った高い縫製技術を強みに顧客を開拓する。昨年10月にはジャカルタ市内のメディカル関連展示会に初出展し、白衣などの看護ユニフォームをアピールした。

 18年度はブカシの本社工場の人件費上昇が続いているため、人件費のより低い中部ジャワ地区にある協力工場での縫製を増やす。AKMから技術指導を加えレベルも高まっている。協力工場で年間200万枚の生産力を既に確立した。

 17年12月期は堅調な生産状況が続いた。特にユニフォーム分野では食品工場用・メディカル用白衣の、カジュアル分野ではカットソーの縫製が好調だった。

 AKMはクラボウグループの海外唯一の縫製拠点。ベトナム協力工場への技術指導も行っており、東南アジア地域に日本の縫製技術を伝える中核的な存在として今後も重要な役割を担う。