帝人フロンティアインドネシア/産資・衛生材を拡大/経済成長追い風に

2018年02月27日(Tue曜日) 午後4時3分

 【ジャカルタ=橋本学】帝人フロンティアインドネシアの江成俊一社長は2018年度以降に向けて、「産業・自動車用資材、おむつや生理用品メーカーへの繊維素材販売で業績を拡大する」方針を示した。

 現在、産業・自動車用資材と衛生用品素材のほとんどはインドネシアでの内販が占める。同国の底堅い経済成長を背景にさらに内販を伸ばす。衛生材に関してはまだ始まったばかりだが、一般消費者の生活水準の高まりから今後大きく飛躍が期待できるという。

 産業資材用は、耐熱アラミド繊維「コーネックス」を使った集塵(しゅうじん)フィルターなどがここまで好調で、自動車用繊維資材も同国内での車両の販売量が増えており活発な動きが続く。

 来期も工場の新設、増設に伴いフィルターなどの需要は伸びる見通し。車両向けは日系自動車メーカーが生産台数を増やす方針を打ち出しており、それに伴う販売増を見込む。

 課題となるのは16年から市況悪化で不振が続く中東民族衣装向け素材輸出の立て直し。

 江成社長は「中東の市況がいつ回復に向かうのかは不透明」とし、「中東以外のテキスタイル輸出・内販や縫製品事業でカバーする」と話す。

 中東向け以外に欧州、米国、中国などへの生地輸出、さらにインドネシア内販も拡大する。そのために、インドネシア国内の帝人独自の機能素材の生産から織布、加工、縫製まで一貫した生産体制を活用する。機能や感性などで高い付加価値を持つ素材を現地で生産し、縫製まですることによりコスト競争力を高めて提案する。

 ポリエステルわたとペットボトル再生ポリエステルわたのインドネシア国内向け販売実績が今期出ており、来期以降も販売を強める。

 縫製品事業ではスポーツが東京五輪までは底堅く動くとみる。現在、9割が丸編み製品であるため、布帛製品の開発に取り組む。それにより工場の閑散期を少なくし。売り上げをさらに拡大する。

 トーブ、アバヤの縫製品輸出も計画している。これまでは生地輸出のみだった。中部ジャワの協力縫製工場を活用して最終製品で輸出し、観光客や巡礼者の需要取り込みを狙う。

〈縫製品と産業資材が好調/第3四半期は増収増益〉

 帝人フロンティアインドネシアの2017年4~12月決算(ドルベース)は前年同期比増収増益だった。中東向けテキスタイル販売の不振を、縫製品輸出と産業資材の好調で補った。

 縫製品輸出の売上高のほとんどは日本向けによるもの。75%がスポーツウエア、20%が郊外店向け紳士服・ジャケット・パンツ・シャツ、5%がカジュアル。東京五輪が近づいたこともあってスポーツウエアOEMの受注が順調だった。紳士服やメンズ定番商品は店頭の売れ行きの悪さが影響し苦戦。

 産業資材販売は90%がインドネシア国内での販売。「コーネックス」を使ったダスト集塵フィルター、二輪・四輪車用資材、不織布の販売が順調だった。おむつや生理用品メーカー向けの原料供給が前年同期比比20~30%の高い伸びとなり業績に貢献した。

 テキスタイル事業は売上高の9割が生地・糸の海外輸出。仕向け地は中東、欧州、米国、日本。今期は前期に続き、中東の民族衣装用の素材が大幅な減収となった。主要マーケットで市況の悪さが続いているため。16年に悪化し始め、そのまま回復せず。今年1月にドバイ、サウジアラビアで消費税が導入されたことで、情勢はさらに厳しくなった。江成俊一社長は「中東の不振は過去30年間で最悪の水準。ピーク時の半分の規模まで落ち込んでいる」と言う。

 欧米向けにはユニフォームなどに使うポリエステル100%織物やポリエステル・レーヨン混織物を輸出する。売れ行きは前年同期並み。