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特集 事業戦略(7)/富士紡ホールディングス 代表取締役副社長執行役員 青木 隆夫 氏/来期も収益改善に取り組む/営業利益が大幅改善

2018年02月27日(Tue曜日) 午後4時7分

 富士紡ホールディングスの繊維事業の2017年4~12月決算は売上高が前年同期比微減収となったものの、営業利益は2・6倍と大幅に改善した。百貨店向け高級肌着が主力の子会社のアングルで在庫の圧縮をはじめとする構造改革を行ったため。来期は4カ年経営計画の2年目となり収益率の改善が引き続きテーマとなる。

  ――ここまでの業績を振り返っていただけますか。

 繊維事業の17年4~12月決算は売上高96億1700万円(前年同期比0・1%減)、営業利益は8億9800万円(262・6%増)でした。

 製品事業では、前年度に着手した構造改革の成果が着実に出ています。採算の厳しかった百貨店向け販売部門の益率が大幅に改善しました。

 「BVD」ブランドはインターネット通販で伸びが顕著です。特にレディース商品が売り上げのけん引役です。メンズインナーもOEMで大手量販での販売が拡大しました。

  ――前期に行った構造改革について。

 百貨店向けに製品を販売するアングルは15年ごろまでは赤字を出しながらも事業を続けている状態でした。一度、百貨店に販売して売り上げが立っても、店頭からの返品が多く成長の足かせとなっていました。

 そのため在庫を圧縮して返品を減らすようにしました。それにより物流コストが下がり、手間も省けました。不採算店での販売の仕方や商品構成も見直し、撤退も一部行い、黒字に転換しました。

  ――「BVD」の販売状況は。

 4~9月から引き続き前年同期比20%以上は伸びています。着用感の快適性を強みとする商品が好調です。「BVDレディース」は誕生20周年の記念キャンペーンや17春夏からメンズとロゴを統一したことも奏功しました。

  ――紡績事業は。

 引き続き好調に推移しています。16年の春ごろにフジボウテキスタイルの大分工場の紡機を2万錘から1万4600錘にまで減らしました。従来の定番品の見込み生産を減らし、受注生産に特化しました。売りたいものを作るのではなく売れるものを作るというのが基本戦略です。

  ――フジボウテキスタイル和歌山工場については。

 百貨店をメインとする高級生地の染色加工を手掛けています。周知のとおり百貨店売りが良くないため事業環境は厳しいです。7~9月の閑散期をどのように埋めるかが課題です。海外への生地輸出を手掛ける企業と組んで、輸出用生地の受託加工も増やしていきます。

  ――海外拠点の現状を。

 中国で生産していた製品の生産をタイに移しています。タイ・フジボウ・テキスタイル(TFT)は「BVD」の糸から縫製品までの一貫工場となっています。中国からの移管の影響で縫製を増強しました。タイでは前年の倍近い月産15万~16万枚を生産しています。

  ――フジボウ愛媛での取り組みは。

 業績は前年並みで推移しています。機能材を練り込んだ合繊やステンレス繊維、蓄光繊維など特殊な素材の開発に力を入れています。ニッチな分野ですが大手企業と連携して販売を拡げていきます。

  ――18年度に向けた方針を。

 20年度に向けた4カ年中期経営計画の2年目です。17、18年度は成長を遂げるための事業改革を進める2年間ですので、体質改善の総仕上げとなります。

 今期でアングルが黒字浮上を果たしたこともあり、改革は一定のところまできました。来年度も今期の取り組みを継続します。

 益率改善をさらに進めます。製品事業において利益性の高い商品の販売にシフトしていきます。弊社の製品認知度を高めることも重要です。品質には自信を持っていますが消費者に認知されなくては意味がありません。そのための広報・宣伝活動にも力を入れます。

 数あるインナーアパレルの中で自社グループでわたから糸を引いて加工、編み立て・織布、縫製品までできるのは当社だけの強みです。この生産背景を生かしていかに他社製品と違いをつけるかが今後の飛躍の鍵となります。