工・商の融合、新展開/ メーカー系商社のいま (4)

2018年03月01日(木曜日)

東洋紡STC

事業間シナジー発揮へ

 東洋紡STCの西山重雄社長によると、同社衣料繊維事業の2018年3月期は、分野によって凹凸はあるものの「全体として盛り上がりを欠く結果」になる見込みだ。東洋紡グループの新中期経営計画がスタートする次年度は機構改革や人事異動で活性化を図りながら、各事業で「規模よりも中身の改善」に力を注ぐ。

 中東民族衣装向けは減収減益となる。計画段階から苦戦を想定していたが、計画比ではかなり健闘の結果という。西山社長は「頂上商品としてのブランド力がここに来て発揮できた」とその理由を分析。同事業は次年度も厳しく見積もり、本格回復は次々年度とみる。

 スポーツ分野は前年度からの失速が今年度も継続した。大手スポーツメーカーとの取り組みは進展するものの想定よりも不良在庫が多かったことで大規模な在庫処分も断行した。今冬で温熱機能商品などの店頭在庫がかなり縮小したとみられることなどから来秋冬向けからの反転を狙う。

 合繊軽量高密度織物は前期比横ばいも計画は未達。取ろうとした案件が取れなかったことに加え、北陸産地の生産スペースタイト化も影響。今後は早期発注などでスペース確保に努める。

 インナー分野は次年度に向けた足固めの期だったが、スポーツと同様、反転への環境整備は進んだという。ユニフォーム分野は好調推移で、シャツや寝装分野も堅調だった。

 西山社長は同社事業の根幹を成すテキスタイルの将来性を、「機能商材の開発が全て」と強調する。各分野で感性に訴えかける生地、高機能スペックを有する生地などを開発しているが、改めてその力を追求する。

 国内自社工場のスペースを埋めることに奔走するのではなく、国内工場を開発拠点と位置付け、グループや協力工場に量産体制を広げ、グローバルな生産体制の確立を重視する。

 同時に、繊維の素材開発力を機能材部門に応用、転嫁することにも力を入れていく。この取り組みには既に着手しており、本格化しつつあるという。西山社長自身4月1日、東洋紡本体の機能材部門と繊維部門を同時に見るポジションに就く。「機能材は専門外だが、両事業を足し算ではなく掛け算していけば、互いに生き残ることができるはず」とし、両事業を新たな視点で捉える。

大手スポーツアパレルとの取り組みが深耕する