タイ旭化成グループ/増設の効果発揮する/生産品種高度化も

2018年03月01日(Thu曜日) 午後2時33分

 【チョンブリー県シーラーチャー=宇治光洋】旭化成のタイ子会社である旭化成スパンボンド〈タイランド〉とタイ旭化成スパンデックスは、ともに増設の効果を十分に発揮することを2018年度(19年3月期)の課題に挙げる。立地するチョンブリー県では4月から最低賃金が大幅に引き上げられるなど労務費全般が上昇しており、原料価格の上昇も続いていることから、一段のコストダウンや生産品種の高度化にも取り組む。

〈旭化成スパンボンド〈タイランド〉/差別化品開発に取り組む〉

 ポリプロピレンスパンボンド(PPSB)製造販売の旭化成スパンボンド〈タイランド〉の17年度(18年3月期)業績は、ここまで増収増益で推移している。16年度に2系列目を増設し、現在は年産3万数千トン規模の生産となっており、増収に寄与した。

 及川恵介社長は「17年度は稼働率向上に重点を置いた結果、ほぼフル生産に近い状態にまで持っていけた」と話す。紙おむつ需要が順調に拡大しており、その需要を取り込むことに成功した。

 一方、原料であるPPの価格上昇が続いたことで「売上高の増加ほどに利益は増えていない」ことが問題。労務費の増加も続く。このため18年度は「年間を通じてフル生産を維持することに加え、品種ごとの生産計画・管理を精査することで合理化・効率化を進め、コストダウンを図ることが重要になる」と指摘する。

 差別化品の開発も強化する。細繊度品や親水性を持たせたタイプの開発を進めており、例えば紙おむつのトップシート向け需要の取り込みを狙う。

〈タイ旭化成スパンデックス/新規市場の開拓重視〉

 スパンデックス製造販売のタイ旭化成スパンデックスは、16年に増設した効果もあり17年度も販売数量が増加した。特に衛材用途が販売増をリードする。ただ、原料価格上昇に加えてバーツ高によって販売の3分の1を占める輸出の収益が圧迫された。

 近藤尚明社長は「内販比率を引き上げたことや、テキスタイル用で機能糸など高付加価値品の製造・販売を本格化させたことでバーツ高の打撃をカバーした」と話す。

 18年度は新規市場の開拓を重視する。現在の主力輸出先である中国、東南アジア、日本に加えて、バングラデシュ、インド、パキスタンなどへの提案を強化する。旭化成のベンベルグ事業部と連携してインドの展示会にも既に参加した。インドでは旭化成のキュプラ繊維「ベンベルグ」が高いブランド力を持つ。これをスパンデックス「ロイカ」にも波及させたいという。

 テキスタイル用は中国向けの比率が高いことから「中国以外の売り先も増やし、販売先の多様化を図る」。中国での環境規制強化からストレッチ織・編み物の生産が中国以外の国にシフトする動きもある。こうした需要動向の変化を確実に取り込むことを目指す。