工・商の融合、新展開/ メーカー系商社のいま (5)

2018年03月02日(金曜日)

旭化成アドバンス

来期、中計目標必達へ

 旭化成アドバンスは2018年度(18年4月~19年3月)が、グループ中期経営計画の最終年度に当たる。羽田学副社長執行役員繊維本部長は「繊維で掲げる最終年度の営業利益目標12億円を必達するのが課題」と述べ、そのために縫製品事業の収益性向上や資材事業の強化などに取り組む。さらに将来に向けて、基盤である北陸産地に対しても「必要となる投資を行う」考えを示す。

 同社の18年3月期は繊維売上高が前期比5%増、営業利益は15%増となる見通し。「アウター事業の回復と資材の伸長が寄与した」と言う。

 インナー・レッグ、スポーツ、ライニングはほぼ前期並みだったが、苦戦を強いられていたアウター事業も縫製品が改善した。さらにテキスタイルも、キュプラ繊維「ベンベルグ」複合織物やストレッチ織物などが伸びた。

 資材はコーヒーフィルター用やカイロ用などの旭化成のスパンボンド不織布(SB)輸出が拡大。土木建築向けも東京五輪を背景にして堅調で、資材が繊維全体の利益を押し上げた。結果、衣料分野は微増収増益、資材分野は増収増益となる見通しにある。

 中計最終年度となる来期は「スポーツ・アウトドア向けは国内外とも需要が旺盛。資材も東京五輪を前にして好調が続くだろう。アウター、ライニングも前秋冬店頭で重衣料が好調だったことから、作り込みに動く。インナーも取り組み先のアパレルが堅調」として、強気で臨む。

 その中で、特に縫製品の収益改善と資材の強化に重点を置く。

 縫製品事業は、OEMから素材一貫生産も含めたODMへの転換を図り、その比率を高めることで収益性を向上させる。

 資材事業は引き続き拡大に取り組む。その一つが車両資材。同社は車両向けにポリエステルSBによるエアバッグ布の包材を展開するが、日本・タイ生産に加え、中国での生産体制を整える。

 旭化成の中国でのスパンデックス「ロイカ」編み立て・染色子会社、杭州旭化成紡織(HAT)内に新工場を建設し、今年8月から稼働させる。旭化成と連携したメディカル関連ビジネスの本格化も目指す。

 同時に、生産基盤である北陸産地に対しての投資を行うほか、物流はじめまざまな構造改革の実施も計画する。