縫製機器のデジタル革命 (後)

2018年03月02日(金曜日)

傷を認識する延反機/体形変わるマネキン人形

 革新の余地が限られているとされていた自動延反機でも、デジタル技術を活用した新しい試みが出た。島精機製作所が打ち出した、延反から、ラベリング、裁断、ピックアップまでの一連のシステム「シマ・カッティング・ソリューション」がそれだ。

 延反前に生地の傷部分に印を付けておく。延反機がそれを検知すると、その傷がパーツのどの部分に位置するかを瞬時に判断し、そのパーツの長さ分だけを余分に延反する。延反から裁断までの全機器が情報を共有しているからこそできる芸当と言える。

 体形が変化するマネキン人形も登場した。AGMSは、パソコンへのサイズ入力で体形が変化するマネキン人形、「スマートダミー」を発表した。バスト、ウエスト、ヒップ、太もも、股下、首からウエストまで、股上などの各サイズを入力すると、マネキン人形に内蔵されたパイプ状のものが伸縮し、設定通りの体形に変化する。上半身版、下半身版、全身版を男女別にそろえた。オーダー服の検品や、パターン作成時のトワレチェック用などとしての需要を見込んでいる。

 AGMSは、着るだけで採寸できるジャケット、「スマートメジャー」も発表した。ジャケットにAR(拡張現実)マーカーが付いており、それをセンサーに認識させることで採寸する。1人でも簡単、かつ短時間で採寸できるため、学生服など、多人数の採寸が必要な業界の需要を見込んでいる。

 縫製工場のオペレーターの作業を分析するために作ったソフトを、自動車業界などの生産に必須だという「標準作業組合せ票」の作成に応用できるようにした企業もある。ペガサスミシン製造だ。同社は、縫製オペレーターの動きを撮影し、その動画を見ながら画面をクリックすることで、作業のさまざまな要素に要する時間を簡単に集計できるようにするソフトを以前から販売している。このソフトを、自動車工場の作業に要する時間の集計に応用できるようにした。これを使えば、慣れた人でも3日を要していた標準作業組合せ票の作成を簡単に行うことができる。既に、自動車業界だけでなく、食品、電子機器業界でも採用されているという。(おわり)