工・商の融合、新展開/ メーカー系商社のいま (7)

2018年03月06日(火曜日)

クラボウインターナショナル

調達構造の変革進める

 クラボウインターナショナルの西澤厚彦社長は次年度(2019年3月期)の基本方針に、引き続き「売り上げよりも利益」を掲げるとともに、調達構造の変革やクラボウ技術部との人的交流、縫製地での素材調達、クラボウグループとの連携による新商品開発に力を注ぐ考えを示す。

 18年3月期は、上半期は計画通りに推移したものの、下半期は主力のカジュアル分野が「かなり苦戦」。前期比でも減収となる見込み。ただ、今年度よりクラボウから譲受した中東向けの健闘もあり、増益は確保する。

 この増益の流れを継続させることが次年度の基本方針になる。そのために取り組むのが調達構造の変革。チャイナ・プラス・ワンが進展するなかで、自家縫製工場アクラベニタマのあるインドネシア、駐在員事務所を構えながら協力縫製工場を確保するバングラデシュ、ベトナムを軸に工場の選定含め、各工場で価格対応力、品質対応力のレベルアップを図る。

 店頭不振が今年度下半期の苦戦の要因だったが、西澤社長によるとこの流れを受けて価格をもう一段引き下げようという機運が日本の流通・小売りに広がっており、伴って商社を介さず小売店が直接海外縫製工場と取引する直貿スタイルが増えている。しかしそれによって品質は低下。この揺り戻しに期待するとともに、「直貿との品質の差を見せつける必要がある」として改めて各縫製工場のレベルアップに取り組む。

 素材調達は付加価値化のためにも原則としてグループ素材の活用を優先するが、「価格訴求型商品への対応も必要。そのためクラボウ技術部との連携により品質を見極めた上で」現地素材の調達にも力を入れる。コストだけでなく昨今ニーズが高まる納期短縮のためにも現地素材の活用が一定必要との認識を示す。

 グループ内連携による新商品開発にも注力する。クラボウの繊維事業部、化成品事業部、紡織のタイ・クラボウ、染色加工のタイ・テキスタイル・ディベロップメント・アンド・フィニッシングと連携した素材開発にとどまらず、倉敷繊維加工の芯地素材とも連携し、シナジーを発揮していく。

 人材育成については、「工場のマネジメントスタッフ育成が課題」とし、アクラベニタマのスタッフを日本の竹田工場、村上工場に派遣する制度をスタートする。こうした取り組みを通じて各工場のレベルアップにつなげる。