工・商の融合、新展開/ メーカー系商社のいま (8)

2018年03月07日(水曜日)

ニッシントーア・岩尾

来期の結果発現が課題

 ニッシントーア・岩尾の2018年3月期は、16年10月にニッシントーアと岩尾が合併した経緯から前期比較は難しいが、計画比では減収ながら、「中身を優先」(森茂則常務執行役員)という期初方針通り、計画水準の利益確保を見込む。製品輸入代行など「伝票通しの右から左の商いが減り、自主的なビジネスが増えた」ことも利益確保に寄与した。今後も、日清紡系列のメーカー系商社として独自性や主体性を重視して商いに取り組む。

 同社にはさまざまな事業があるが、今年度は「世の中の流れ通りになった」と言うように、アパレル関連が苦戦し、スポーツ関連や寝具寝装関連は堅調から好調だった。スポーツ、寝具寝装はともに大手ブランドとの取り組みにより大きな変動がなかったが、アパレル関連は市況悪化の影響を大きく受けた。ただ、新規顧客開拓や新商材開発を進めてきた成果として、「芽は出つつある」と次年度での結果発現を見込む。

 日清紡テキスタイルとの連携によるメーカー系商社としての地位確立が大方針。同社の差別化商材である液体アンモニア加工、スパンデックス「モビロン」、綿スパンレース不織布「オイコス」などを介して連携した商品開発と活用が進展しており、今後も関係強化を図る。

 グローバル展開も将来を見越した重点方針で、昨年秋のタイ・バンコク事務所開設もその一環。19年度か20年度には同事務所の法人化も計画しており、人員も拡充しながらアジア市場開拓を進める。同事務所は開設後半年を経て、「滑り出しとしては順調な推移」と言う。

 欧米向け生地販売も「先行きが見えてきた」と一定の手応えを示す。中東民族衣装向けも併せ、「メイン商材ではなくニッチ商材にこそ当社の出番がある」とし、今後も量より質を重視しながら開発、提案に力を入れていく。

 新規分野の開拓にも力が入る。テキスタイルにしても最終製品にしても、「既存の考え方では新規分野は開拓できない」と言い、例えば寝具寝装分野の延長として介護やインテリア分野を開拓することや、旧岩尾の事業である食品分野と旧ニッシントーアの事業である繊維分野との連携なども視野に入れる。ポイントは、「従来の概念にとらわれない、発想の転換」になる。(おわり)