ベトナム/EC利用者、女性が6割余り/若年層にファッション商品人気

2018年03月08日(木曜日) 午前11時39分

 ベトナムでは近年、電子商取引(EC)市場が拡大しており、2018年のオンラインショッピングの売上高は、前年比19%増の26億ドル近くに上ると見込まれている。利用者のうち女性が6割強を占めており、都市部の若年層を中心にアパレルなどのファッション関連商品が人気を集めている。

 市場データを提供する独「スタティスタ」によると、17年のベトナムでのオンラインショッピングの推計売上高は前年比20%増の21億8600万ドルに上った。18年には、19%増の25億9800万ドルに達する見通し。世界では中国の5965億ドル、米国の4744億ドル、日本の1051億ドルを大きく下回るが、18年以降も年10%以上の成長率を維持し、22年には43億3600万ドルまで拡大すると見込まれている。

 デジタルマーケティング事業を手掛けるエコモビによると、ベトナム国内のEC利用者のうち、18~25歳が34%、26~30歳が30%を占める。居住地は、ホーチミン市が38%、ハノイが17%。性別では、女性が64%と大半を占めている。

 女性の利用者の多さは、購入商品からも見て取れる。エコモビがホーチミン市とハノイ在住のEC利用者(18~39歳)500人を対象に実施した調査では、全体の46%が衣類やアクセサリーなどのファッション関連商品を購入。以下、IT関連商品・携帯電話=39%▽キッチン用品・家電=35%▽食料品=22%▽書籍・文房具=20%――が続き、化粧品も20%に上った。

〈日系企業、女性に照準〉

 ベトナムで複数の日系企業がEC事業を展開する中、日本の商品・サービス専門ECサイト「e―jan(いいじゃん)」(http://e-jan.vn/index.php/)を運営するアーバン・コーポレーション(横浜市)は、女性に照準を合わせている。

 いいじゃんは昨年4月に開設され、ホーチミン市の現地法人アーバン・ベトナムが運営している。現在、約700品目を取り扱っており、会員数は2月末時点で約3万2千人に上る。アーバン・コーポレーションの担当者はNNAに対して、「利用者は女性が中心で、年齢層は18~40歳が多い。『日本商品』に対する人気・信頼は高く、化粧品が売れ筋商品となっている」と説明。利用者の居住地はホーチミン市が中心だが、ハノイ、中部ダナン市、中南部カインホア省ニャチャン市と広範囲にわたり、1人当たりの1回の平均購入額は50万~90万ドンという。

 同社は今後、体験会やイベントなどを通じて積極的に情報を発信して会員数を増やしていくとともに、アパレルや化粧品、その他女性向け商品、セレクト商品などラインアップを拡充させ、同業他社とは異なるコンセプトで展開していく予定。

〈オンライン消費者、25年に4千万人〉

 市場調査会社ニールセン・ベトナムによると、インターネットを利用し、可処分所得を支出する意欲がある「コネクテッド・スペンダー」は15年時点で国内に2300万人おり、25年には4千万人に達すると見込まれている。年間支出総額は500億ドルから990億ドルに拡大すると予測されている。

 コネクテッド・スペンダーの年齢層を見ると、21~34歳が全体の34%を占める。所得階級にコネクテッド・スペンダーが占める割合は、富裕層が76%と最も多いが、中間所得層も62%、低所得層も43%に上っている。

 ニールセン・ベトナムで消費者調査を担当するラケシュ・ダヤル氏は、「海外で市場開拓の機会を狙う企業は、中間所得層の消費動向に着目する傾向にあるが、所得階級だけで判断するのは不十分だ」と指摘し、コネクテッド・スペンダー全体の動向を注視する必要があるとの見解を示している。〔NNA〕