繊維街道 私の道中記/インテリックス 社長 木村 明人 氏(1)

2018年03月12日(月曜日)

「1万円も」出してもらう

 オーダーカーテン製造小売り兼卸のインテリックス(和歌山市)は、日本最大級の自社縫製工場を持ち、均一価格のオーダーカーテンを販売するビジネスモデルを武器に、創業から27期連続で増収を続けてきた。31歳で同社を立ち上げた木村明人氏の軌跡を紹介する。

 インテリックスの本社・和歌山工場を訪れると、女性の姿が目立つ。

 パートを含めた全従業員313人のうち女性が84%を占めます。女性の管理職が多く、女性の力がなくては成り立たない企業です。管理職に占める女性従業員の割合は、繊維産業の平均が6・6%に対し、当社は30%に上ります。

 厚生労働大臣から2017年、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」の認定を和歌山県内で初めて受けました。女性の「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の五つの基準のうち、五つ全てを満たし、最高位企業として認められました。

 1990年の創業当初、女性社員の多くが結婚や出産を機に退職していました。それでは会社にとっても、キャリアが途絶えてしまう本人にとっても大きな損失になってしまいます。子育てをしながら安心して働ける職場を意識して整備してきました。

 “企業は人なり”です。創業後10年間は自ら頑張れば何とか回ってきました。しかし、業績が右肩上がりの中で、人材育成、組織体制の整備が充分に追い付いていない面があります。女性従業員が働きやすい職場作りとともに、新卒者を採用して育成することにも力を入れています。

 1万円均一販売を指す“万均(まんきん)”も、カーテン業界で同社を表わす代名詞となっている。

 従来のオーダーカーテンは値引き幅が大きい2重価格のため、高くて適正価格が分かりづらく、ユーザーのストレスになっていた面があります。

 当社の直営店「ジャストカーテン」、フランチャイズ店では7千円均一、1万円均一でオーダーカーテンを販売しています。従来のオーダーカーテンの既製概念を覆す価格です。直営の縫製工場を持ち、企画から販売まで一貫で手掛けることで実現しましたが、1万円だからこんな品質でいいだろうではなく、1万円も出して買ってもらうのだから最高の接客、最高のモノ作りをできる限りするという発想で取り組んでいます。

 一代で、カーテン業界でひとかどの企業に育てた木村の出発点は家業の畳材料の卸商にあった。

(文中敬称略)